【山本 昌義】月5万円の小遣いに逆ギレし暴走…年収2000万円医師と結婚した「セレブ妻」の自意識過剰が招いた「転落の末路」

裁判所の令和5年「司法統計年報」によると、最近の離婚(の申し立て)理由は以下のようになっています。ひとまず、お金の問題で離婚を考える人も少なくないのが実情です。
浪費も金銭感覚(の相違)の一種ですが、金銭感覚は年収によるところもあるため、夫婦間で年収格差があるほど起こりがちといえます。特に専業主婦やパート主婦などで基本的なお金を夫に頼り、労せずお金が手に入る人は尚更です。
夫婦は対等ではありますが、離婚されて困るのは大抵の場合、年収が低い方といえます。男性のお金に頼っている方ほど、お金の使い方には十分に注意しましょう。
堀口美香(仮名・35歳)さんは、都内の中小企業に勤める年収400万円の34歳女性です。彼女は結婚相談所で婚活する中で、医師で年収2000万円の男性、渡辺正弘さん(仮名・45歳)を紹介されました。「この男性なら私に贅沢な暮らしをさせてくれる」と思った彼女は、好意的に交際を進め、半年後に見事ゴールイン。
結婚後は共働きや子どもなどの約束をあっさり破りつつも、思惑通りの贅沢な暮らしをしていました。ところが結婚3ヵ月目、正弘さんに浪費がバレてしまい、彼女は家計を取り上げられてしまったのです…。
美香さんはこの時、10歳も年下の若い妻をもらったのだから、このくらいのお金を使っても当然と、離婚を切り出して形成を逆転させられないかと思ったそうです。ですが、正弘さんのあまりの剣幕に「切り出して本当に離婚されたらマズい。これ以上に都合のいい男性は見つからない」と思いとどまり、渋々形だけ反省の態度を取り、以後は正弘さんが家計管理をすることを受け入れたとのことでした。
ここから美香さんの生活は一変しました。自由に使えるお金は月5万円に制限され、日常の買い物ではレシート提出を義務付けられたのです。大きく残高が違ったら離婚を考えると言われてしまいました。幸いにも専業主婦の立場はそのままでしたが、豪遊生活を考えていた彼女にとっては、大きくアテが外れてしまいました。
すでに仕事も辞めてしまった美香さんは、離婚だけは避けたいと当初はどうにか耐えました。しかし月5万円の小遣いは独身時代よりも少ない金額です。
専業主婦として家事はこなしているのに、エステも行けず、ブランド品も買えず、この結婚生活に意味が見いだせなくなったといいます。なまじ正弘さんが高年収でお金はあるからこそ、余計に不満も強かったといいます。
その反動は半年後、ついに爆発します。共通口座に貯まっていた200万円をブランド品購入に使い込んだのです。美香さんは、「10歳以上も若い愛妻」という立場を利用できると、この結婚を自分に都合よく解釈し、加えて女性に不慣れな正弘さんを、なんだかんだと上手く転がしている自信もありました。
だからこそ「旦那は年収2000万円もあるわけだから、200万円程度なら結局は許されるだろう」と高を括ったのです。想像以上に不満が溜まっていたのか、驚く早さでお金はなくなったといいます。
しかしその思惑は大きく外れ、美香さんの使い込みがバレた途端、正弘さんにあっさりと離婚を告げられました。まるで、いつかこうなることを予想していたかのように、実に冷静な態度だったといいます。
美香さんはそんな正弘さんの態度に憤慨し、ここ最近の不満が恨みとなり、怒りと勢いに任せてありったけの暴言を浴びせつつ、ケンカ腰に堂々と離婚に応じてしまいました。結婚からわずか半年後のスピード離婚でした。
しかし離婚直後、すぐに後悔したといいます。結婚後に強引に専業主婦になった美香さんには収入がなく、財産分与も正弘さんの情けで、引っ越し代としてもらった10万円のみ。不動産の名義は当然正弘さん、頼みの綱の共有財産も自分が使い込んだことでなくなってしまっています。
美香さんはその後、実家に戻ったものの、一度贅沢な暮らしを味わった副作用で労働意欲が削がれパートでつないでいるそうです。両親からは再就職を促されますが、そんな気持ちすら湧きません。40歳を目前に控え、婚活をしてもハイスぺにはロクに相手にされず、一切の希望がない絶望の日々だといいます。
「われながらバカでした。あの頃、もう少し控えめにしていれば、彼を上手く転がしながら豊かな生活ができたのに。あるいは、今となっては子供を作っておけばとも後悔しています。どちらにせよ、あの頃の自分を殴ってやりたいです」
こういう美香さんですが、この反省も自分の利ばかりを追い求める「自分さえよければ」の念が強いように聞こえます。せめていつか、反省できる日が来るといいのですが。
程度に差はあるでしょうが、美香さんのような方は、じつは婚活市場に少なくありません。
女性の場合、容姿の良い方が婚活に強いのは確かです。35歳に近い年齢とはいえ、10歳程度年上の男性からみれば若さも十分といえます。女性に不慣れな男性の中には、挨拶されただけで勘違いする人もいるほどですから、容姿や好意的な言動だけでも十分な武器になります。
一方で、「美人は3日で飽きる」ともいいます。豊かな生活もそうですが、それが当たり前になれば、感動は早急になくなるものです。つまり結婚してしまえば容姿は武器になりません。
言うまでもなく結婚生活では内面・人間性が極めて重要になります。美香さんは、婚前に仕事や子供など結婚生活における価値観の部分でもウソをついて正弘さんと結婚をしました。これは、正弘さんと結婚したいわけではなく、ハイスぺ婚をかなえるために、ある意味明らかに初心な正弘さんを利用した行為です。
そして正弘さんがいくら女性に不慣れであっても、目に余る浪費は「お金目当ての結婚」を強烈に感じる行為です。これは最近の男性にとって共通する、一気に愛情が冷める行為です。
ほぼ35歳でハイスぺ婚を果たした美香さんであってもそうでしたが、35歳を過ぎれば簡単には次の出会いなど見つかりません。初婚の相手がハイスぺであればあるほど、つい次も同水準を求めてしまうものなので、尚更です。結婚は本来、生涯の伴侶となる行為ですから、ぜひ思いやりの気持ちを持って大事に接していきましょう。
一方の正弘さんも災難ではありましたが、彼のような方も注意が必要です。
普段、出会いがなければピンとこないかもしれませんが、年収が高い男性は、それだけで十分にモテますし、お金を出せばさらにモテます。だからこそ、他のモテ要素に自信がないほどに簡単にお金を出すでしょうし、相手からの好意を感じれば尚更でしょう。
ですがこれは相手からすると、「結婚後も引き続き十分なお金を出してくれるはず」と期待しやすい行為といえます。当人「のお金」に魅力を感じさせての結婚なのですから、それが自然でしょう。そういう意味で、美香さんの行動はある意味で自然ともいえます。
結婚生活の先々を見据えれば、やはり金銭感覚は大事なポイントであり、今や金銭的な負担を感じさせる相手は、そもそも結婚相手として不適格です。実際に美香さんの場合でも、おそらく結婚したままならいつか家計破綻していたと思います。
お金を出す行為は、けして悪いことではありませんが、やり過ぎ、期待のさせ過ぎは危険です。だからこそ高年収であっても、なるべくお金に頼らなくていいよう他のモテ要素も磨きつつ、そのうえで負担を感じない、負担が少ない相手を探しましょう。
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