コンドームが破れた、相手が着用してくれなかった――。民間企業が女性を対象に実施した意識調査で、こうした事情を背景に、6割が緊急避妊薬(アフターピル)を使いたい場面に直面した経験があると回答した。全体の約9割が処方箋なしで薬局で購入できることにも賛成しており、緊急避妊薬の入手しやすさ向上を求める声が多い状況が浮かんだ。
中絶ためらう「手術の恐怖」 新たな選択肢、経口中絶薬の期待と課題民間企業が意識調査 緊急避妊薬を購入するには、医師の処方箋をもらう必要がある。性行為後72時間以内に服用することも必要で、早く服用するほど効果が高くなる。厚生労働省の会議が現在、緊急避妊薬を処方箋なしで薬局で販売できるようにすることを検討している。

意識調査は、オンライン診察でピルを処方するアプリ「smaluna」(スマルナ)を運営する株式会社「ネクイノ」(大阪市)が、アプリユーザーの女性を対象に1月に実施。1319人から回答を得て、同月30日に結果を発表した。 「緊急避妊薬を使いたい状況に直面した経験がありますか」との問いには、60・0%が「ある」と回答。うち80・4%が実際に服薬を経験していた。その背景として最も多かったのは「コンドームが破けた・うまく装着できなかった」(38・1%)で、次いで「相手がコンドームを着用してくれなかった」(30・1%)――だった。合わせると約7割が、避妊の意思はあったにもかかわらずパートナーとの関係や予期せぬトラブルで必要となったと答えたことになり、緊急避妊薬が必要とされている背景が浮かんだ。「薬局で買えるように」賛成86% また、「薬局で買えるようになる動きに対してどう思いますか」との問いには、86・2%が賛成だった。理由としては「72時間以内でしか効果が得られないのに、入手しづらい」などが挙がった。 意見やコメントでは、「土曜日に避妊に失敗した。なかなか診察と処方までたどり着けず大変だった」「田舎では病院が少なく、知り合いに会うかもとためらう」「本当に焦ったときに必要だと思う。産婦人科に行く間に時間がどんどんたつのが怖い」などの声が寄せられた。 同社の担当者は「今回の調査が緊急避妊薬へのアクセス改善に向けて、議論が進む一助になってほしい」と話している。【菅野蘭】
民間企業が意識調査
緊急避妊薬を購入するには、医師の処方箋をもらう必要がある。性行為後72時間以内に服用することも必要で、早く服用するほど効果が高くなる。厚生労働省の会議が現在、緊急避妊薬を処方箋なしで薬局で販売できるようにすることを検討している。
意識調査は、オンライン診察でピルを処方するアプリ「smaluna」(スマルナ)を運営する株式会社「ネクイノ」(大阪市)が、アプリユーザーの女性を対象に1月に実施。1319人から回答を得て、同月30日に結果を発表した。
「緊急避妊薬を使いたい状況に直面した経験がありますか」との問いには、60・0%が「ある」と回答。うち80・4%が実際に服薬を経験していた。その背景として最も多かったのは「コンドームが破けた・うまく装着できなかった」(38・1%)で、次いで「相手がコンドームを着用してくれなかった」(30・1%)――だった。合わせると約7割が、避妊の意思はあったにもかかわらずパートナーとの関係や予期せぬトラブルで必要となったと答えたことになり、緊急避妊薬が必要とされている背景が浮かんだ。
「薬局で買えるように」賛成86%
また、「薬局で買えるようになる動きに対してどう思いますか」との問いには、86・2%が賛成だった。理由としては「72時間以内でしか効果が得られないのに、入手しづらい」などが挙がった。
意見やコメントでは、「土曜日に避妊に失敗した。なかなか診察と処方までたどり着けず大変だった」「田舎では病院が少なく、知り合いに会うかもとためらう」「本当に焦ったときに必要だと思う。産婦人科に行く間に時間がどんどんたつのが怖い」などの声が寄せられた。
同社の担当者は「今回の調査が緊急避妊薬へのアクセス改善に向けて、議論が進む一助になってほしい」と話している。【菅野蘭】