自民党の生稲晃子参院議員(現外務政務官)が2022年8月15日に靖国神社に参拝していたと共同通信社が誤報した問題で、同社は30日、検証記事を配信したと明らかにした。
取材を分担していた他社記者からの情報を、裏付けを取らないまま記事にしたとしている。
同社は当時、生稲氏が同神社を参拝したとする記事を配信。今年11月にも、世界文化遺産「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)の労働者追悼式典に出席する生稲氏が同神社に参拝していたと報じた。だが、生稲氏は実際には参拝しておらず、事実確認が不十分だったとして同月25日に訂正した。
検証記事によると、当時は別の報道機関数社と分担して国会議員らの出入りを取材。他社の記者から「生稲議員入りました」との情報が共同通信を含む数社の記者にLINEで共有された。だが、同社が当時の取材メモを調べたところ、生稲氏本人に確認取材した記載はなく、「裏付けを取らないまま、うのみにしてしまった」としている。
高橋直人編集局長は「『事実に基づく報道』というメディアの大原則をもう一度胸に刻み、信頼を取り戻すため、再発防止に全力で取り組みます」とした。