みずほ銀行(東京都千代田区)に株主総会への出席をほのめかし利益を要求したとして、警視庁組織犯罪対策3課と上野署は8日、東京都小平市小川町1、自称総会屋、三浦善雄容疑者(54)を会社法違反(利益供与要求)容疑で逮捕したと発表した。容疑を一部否認しているという。

 逮捕容疑は、3月18日、同行本店を訪問し「月1万円で機関誌を発行している」などと話し、機関誌の購読料名目で現金を要求したとしている。同行は要求を断り、警視庁に届け出た。

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 警視庁が09年に企業向けに実施した不当要求防止講習会(計113回)で、出席者計8511人にアンケートしたところ、1075人が「過去3年間に不当要求を受けた」と回答。うち100人が「要求に応じた」と答え、総会屋が水面下で活動を続けている実態が浮かんだ。警察による摘発や企業の意識の高まりで、都内で活動する総会屋の数は最盛期(83年)の5分の1に当たる約200人にまで減少したが、警視庁は株主総会が集中する29日に向け警戒を強めている。

 警視庁によると、都内のスポーツ用品販売会社は09年末、同和団体を名乗る男から商品にクレームを付けられ、金銭を要求された。相談を受けた警視庁は法的解決を図るよう指導したが、会社側は訴訟でトラブルが表ざたになるのを恐れ、数十万円の「迷惑料」を払った。捜査幹部は「企業が一度対応を誤ると、反社会勢力に付け入られる危険がある」と警告する。