「毎年つらい花粉症、そもそも発症しない方法はないの?」と疑問に思う人も多いはず。じつは、花粉症は体質だけでなく生活習慣や環境によっても発症リスクが変わります。花粉症シーズンを乗り切るための治療スケジュールについて、「目黒本町耳鼻咽喉科」の小松﨑先生に解説していただきました。
監修医師:小松﨑 敏光(目黒本町耳鼻咽喉科)
昭和医科大学医学部卒業、昭和医科大学大学院医学研究科修了。その後、昭和医科大学病院、東京都立荏原病院、昭和医科大学横浜市北部病院で経験を積む。2024年、東京都目黒区に「目黒本町耳鼻咽喉科」を開院。医学博士。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会専門医・指導医・認定補聴器相談医、日本めまい平衡医学会めまい相談医。
編集部
花粉症と聞くと春のイメージがありますが、じつはそれだけではないのですよね。
小松﨑先生
はい、そのとおりです。花粉症は春のスギやヒノキだけではありません。夏から秋にかけてはイネ科やブタクサなどの植物が原因となり、くしゃみや鼻水、目のかゆみといった症状を引き起こすこともあります。春には症状がないのにこの季節に体調が悪くなる人は、秋の花粉症の可能性があります。季節を問わず、症状には注意しましょう。
編集部
花粉症の治療は、いつから始めればいいのでしょうか?
小松﨑先生
花粉が飛び始める2週間~1カ月前から治療を始めるのが効果的です。これを初期療法と言い、そうすることで体が花粉に過剰に反応するのを抑えてくれます。症状が出てから薬を飲み始めるよりも炎症を予防しておいた方が、軽い症状でシーズンを乗り切りやすくなります。
編集部
具体的に、どのような薬が使われるのですか?
小松﨑先生
代表的なのは抗ヒスタミン薬で、くしゃみや鼻水、目のかゆみを抑える効果があります。ほかにも、点鼻薬や目薬、ステロイド薬など、症状に応じて複数の薬を組み合わせることもあります。最近では眠気の出にくいタイプの薬も登場しており、仕事や運転などに支障なく使える選択肢が増えています。そのほか、根本的に体質を改善したい人には舌下免疫療法も適しています。
編集部
舌下免疫療法は、いつ始めるのがおすすめですか?
小松﨑先生
舌下免疫療法は、花粉が飛散しているシーズン中ではなく、花粉の飛んでいない時期に始める必要があります。スギ花粉を例に挙げると、6~12月の間に開始するのが一般的です。最低でも3~5年は継続する必要がありますが、根本的な体質改善が期待できる治療です。興味がある場合は、できるだけ早く医師に相談しましょう。
編集部
途中で舌下免疫療法をやめたらどうなりますか?
小松﨑先生
自己判断で薬を中断すると、症状がぶり返したり、より強く出たりする可能性があります。特に、治療を始めて間もないうちに治療を中止してしまうのは危険です。医師の指示に従い、シーズンを通じて薬を使い続けることで、症状を安定させることができます。必ず医師の指示に従い、治療を継続しましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
小松﨑先生
花粉症は、免疫のバランスが崩れることで発症したり、症状が悪化したりすることがあります。症状を軽くするには、普段から栄養バランスの取れた食事や規則正しい生活を心がけ、体調を整えておくことが大切です。あわせて、症状を軽く済ませるためにぜひ、花粉が飛び始める前から耳鼻咽喉科を受診してほしいと思います。
※この記事はメディカルドックにて<夏~秋も要注意の「花粉症」 発症を防ぐ方法・治療スケジュールを医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。