シリーズ読者投稿~あなたに届け、この「ありがとう」~ 投稿者:Sさん(大阪府・60代女性)
ある日、Sさんの息子と娘がケーキを買ってきた。母であるSさんの誕生日プレゼントだ。
金銭的な余裕がなかったSさん宅では彼らにわずかなお小遣いしか渡せていなかったのだが……。
<Sさんの体験談>
30年ほど前の私の誕生日、小学生になったばかりの息子と娘が、駅前のケーキ屋さんのショートケーキを買ってきてくれました。
当時の我が家は、夫の自営業が倒産したための負債の整理で、日々生きていくのが精一杯。
離婚もした上、まだ幼児の末っ子もいて……。子らへのお小遣いは、あげられても数百円程度でした。
その中から、息子と娘は私を喜ばせようと、ケーキを私の分の一つだけ買いに行ったそうです。
でも、持って帰ってきた箱にはケーキが2つ入っていました。
「店員さんがもう一つくれたのだ」と子は言いました。
「お母さんにあげる」と聞き、小銭を握りしめている子らに、温かい慈悲をかけて下さったのだと思い感謝の思いで胸が一杯でした。
子3人と私で2つのショートケーキを半分ずつ食べました。
当時はお礼に行く間もなく、またケーキを買う余裕もなかったのですが、子らが独立してケーキを買えるようなってから、ケーキ屋さんにお礼を伝えに行きました。
しかし、ケーキ屋さんはなくなっていました。近くを歩いている人に聞いてみたけどわかりませんでした。
あの時の事を思いだすと感謝で涙が出てきます。本当にありがとうございました。
京阪萱島駅西口北側のすぐ駅前の角にあったケーキ屋さんです。どこかに移転されたのであれば、教えて頂きたいです。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」「あの時はごめんなさい」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない……。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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