斎藤元彦兵庫県知事(写真・馬詰雅浩)
パワハラ問題で窮地に立たされている兵庫県の斎藤元彦知事。7月7日に、パワハラを内部告発したとみられる県職員が死亡して以降、報道が過熱しているが、それでもかたくなに辞任しようとしない姿勢に、批判が集まっている。
8月30日、このパワハラ問題で大きな動きがあった。この日、県議会の調査特別委員会(百条委員会)はパワハラ疑惑について本人に証人尋問。斎藤知事は強い口調で職員を叱責したケースについて「職員に不快な思いをさせたことは反省したい。謝りたい」「言い方が厳しかったり、強くなったりしたことは謝りたい」などと陳謝。しかしパワハラは否定し、知事続投への意欲を明確にした。
Xでは、ここにきてもなお自分の非を認めない斎藤知事に対し、怒りを抱く人が多く見られた。
《そもそも兵庫県民が舐められてるんだから不信任案出してなんとかするのは県民の努めだぞ?》
《兵庫県民として、斎藤知事にはお引き取り願いたい。未だに言い訳ばかりで、心からの謝罪が出来ているとは全く思えない》
証人尋問を経た今、話題となっているのは“知事のリコール”だ。Xでは、《兵庫県民は愛知県みたいにリコール運動しないんですかね?》との意見もある。一方、立憲民主党などの県議で構成する「ひょうご県民連合」は、斎藤知事への不信任決議案を9月議会で提出する方針をすでに発表している。
「リコールとは、地方議会議員や、知事、市町村長などの解職請求のことです。有権者総数の3分の1以上の署名をもって、代表者が所管の選挙管理委員会に請求できます。
現在、兵庫県の有権者数は約450万人で、リコールのためには150万人超の署名が必要です。なかなか大変な数ですね。近年では名古屋市でリコール署名がありましたが、結局集まらずに偽造署名が問題になりました」(全国紙政治部記者)
職員に対する謝罪の言葉は出たものの、「パワハラかどうかは私が判定するというより、百条委員会などが判定するものだ」と言い放つ斎藤知事に、民意は届くのだろうか。不信任決議案の動向も注目される。