中国からの“渡航自粛”の影響が…ツアー1000人分の直前キャンセル「キャンセル料は免除してくれ」 一方個人旅行では影響のないところも

日本と中国の緊張が高まる中、中国政府による日本への渡航自粛の呼びかけで、東海地方のホテルにも影響が出ています。
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愛知県蒲郡市にある「蒲郡ホテル」。11月16日からある異変が起きていました。
(蒲郡ホテル 竹内恵子代表)「中国の旅行会社からキャンセルが続出している。とりあえず、ことしいっぱいキャンセルに」
中国人旅行者向けのツアーのキャンセルが相次いでいるのです。
キャンセルの理由は「政治情勢の影響」。11月7日の高市総理の“台湾有事”に関する答弁をめぐり、緊張が高まる日中関係。このホテルでキャンセルになったツアーは、11月分だけで実に28件。合わせて約1000人分にのぼります。

過去には2012年の尖閣諸島の国有化など、日中関係の悪化が原因のキャンセルはあったといいますが…(竹内代表)「予約が確定してファイナルリストが届いてからのキャンセルは今までなかった。しかもキャンセル料は免除してくれと要請が来ていて、正直困っている」
直前でのキャンセルにもかかわらず、旅行会社からは中国政府からの呼びかけに伴うものだとして、キャンセル料を無料にするよう求められているといいます。このホテルでは、宿泊客の約半数が中国からの旅行客で、館内の利用案内にも目立つように中国語が並んでいます。竹内代表は、この先もキャンセルが続くのではと危惧しています。(竹内代表)「見通しとしては大変厳しい状況。観光業界に携わっている方、すべての方に影響がある。1日も早く収束してくれることを願っている」
一方、名古屋駅に直結する名古屋マリオットアソシアホテルでは…(名古屋マリオットアソシアホテル 営業推進部 谷口百子さん)「直近で多少キャンセルが出ているが、そこまで大きな影響は出ていない」このホテルでは、全体の約15%が中国からの宿泊者ですが、ほとんどがツアーではなく個人による予約。中国政府による渡航自粛の呼びかけ以降も、新規の予約が入るなど、今のところの影響は限定的だといいます。
一方、これから気になるのが、来年2月の中国の旧正月「春節」です。例年、通常の2~3倍の利用客が訪れます。(谷口さん)「これから少なからず影響は出てくるのかなと思う。注意深く予約の状況を見ていきたい」渡航自粛の影響はどこまで続くのでしょうか。