高校生ら7人乗った軽が横転し1人死亡、運転の18歳を書類送検…窓から身を乗り出していた生徒も

茨城県神栖市の交差点で2月、高校生ら7人が乗った軽乗用車(定員4人)が右折時に横転し、乗っていた1人が死亡、6人が重軽傷を負った事故。
運転していた男(18)が20日、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死傷)と道交法違反(定員外乗車)の疑いで書類送検された。若者が定員を超えて乗車して事故につながった例は過去にもあり、県警は注意喚起している。
「交通ルールを無視すれば命を失うことになる。今一度、交通規範を順守してほしい」。捜査に関わった県警幹部はそう呼びかける。この横転事故では、当時高校2年の男子生徒(17)が胸を強く打って亡くなった。
県警は当初、定員を大きく超えて乗車していたことで車がバランスを崩した可能性があるとし、過失運転致死傷容疑で男を任意で調べていた。その後の捜査で、「制御困難な高速度」で交差点に入ったことも判明。より法定刑の重い危険運転致死傷容疑を適用できると判断した。
事故当時、7人は知人関係で、男を除く6人は高校生だった。捜査関係者によると、一部の生徒は車窓から身を乗り出していたとみられる。また、事故現場は信号機がなく、近隣住民によると、周辺は碁盤の目のように道路が交差しており、直線も長いためスピードを出す車が多い。
こうした交差点では事故が多発する傾向にあるといい、知能自動車研究所(つくばみらい市)の代表で、交通事故鑑定の専門家・山崎俊一さん(74)は「定員をオーバーすれば、曲がる際に車体の重心が傾きやすく、横転する可能性も高まる」と危険性を指摘する。
県警によると、ひたちなか市でも昨年、定員を超えて車に乗っていた若者らによる重軽傷事故が発生した。県警幹部は「イベントごとが多い夏を迎え、大人数で外出する機会も増えるが、定員外乗車は決してしないでほしい」と注意を促している。