実行役の少年らと共謀し、知り合いの男性宅に押し入り金品を奪って、家人にけがを負わせたとして、強盗致傷と住居侵入の罪に問われた探偵業赤谷拓治被告(33)の裁判員裁判が30日、さいたま地裁(中谷雄二郎裁判長)で始まった。赤谷被告は「わたしは共謀はしていない。無実です」と全面的に否認した。
裁判員裁判で、被告側の本格的な無罪主張は初。裁判員がどのような判断をするか注目される。審理期日は評議予備日を含めると8日間で、これまでの裁判員裁判で最も長い。判決は12月11日。
検察側は冒頭陳述で、赤谷被告が闇サイトを通じて知り合った赤坂秀和被告(33)=公判中=に強盗の実行役を集めるよう依頼。事件2日前に実行役の少年と会い、被害者の住所や電話番号を記したメモを渡し、強盗を直接指示したと主張した。
一方、弁護側は冒頭陳述で、赤谷被告が別の知人男性から被害者との金銭トラブル処理を依頼されたため、赤坂被告に解決を頼んだにすぎず、強盗を起こすとは思わなかったと説明。最後に「少しでも疑問があれば無罪にするのが刑事裁判の鉄則」と裁判員に訴えた。