「死ね」「自殺しろ」
【音声あり】なぜか被害者を責める発言が飛び出した懇親会、校長の謝罪するも… 三重県四日市市立高花平小学校で起こったとされる衝撃的な内容のいじめ。YouTubeやTwitterに投稿された内容によると、小学生の女子児童が、日常的に暴言を吐かれ、鉛筆などの文房具を盗まれる、給食に虫やごみを入れられ、食べなかったら暴力を振るわれる、最終的には鉛筆で刺されるといった暴力行為まで行われていた。校長は口だけで何も対応しなかった この問題について、被害者や加害者とその家族から話を聞き、YouTubeで発信を続ける加藤秀視さんに詳しい話を聞いたところ、学校のずさんな対応など、事態は深刻かつ複雑なようだ。
「まず‘20年にいじめが始まり、そこから約2年間にわたって続きました。その間に一度、被害者の保護者の方が学校に話をして、第三者委員会が立ち上げられて、調査が入ったようです。ですが、大した調査もせずに終わってしまい、結果的にいじめが終わることはなく、さらに別の男の子に対するいじめも発覚しました。この男の子のいじめについての第三者委員会が2月くらいに立ち上がりましたが、こちらも真剣に調査はされていないようです」 被害にあった女子児童の家族は、いじめが発覚してすぐに学校に相談をしたという。「第三者委員会が頼りにならないので、被害者の親御さんが学校でいじめが起こるのは良くない、校長と一緒に学校を良くしようと最初は動いていたんです。しかし、校長は口だけで何も対応しなかったため、被害者の親御さんが自ら行動を起こしました」(加藤さん、以下同) そうした経緯から、いじめなど学校での問題を扱っている人権活動家の加藤さんのところに連絡があった。だが、被害者側からだけでなく、加害者側からも学校にいじめの問題に向き合ってほしい訴えがきていたそう。「連絡をもらった当初は被害者と加害者が状況をわかっているなら自分たちで解決できるのではないかと思いました。ですが何度も連絡をくれるので話を聞いたら詳細がわかり、普通ではないと思ったので、僕が入る形になりました」 加害者の6人の子どもたちと、その親はいじめをしたことを認めて謝罪している。問題視しているのは学校側の“隠蔽体質”だという。「学校の先生は見ていて知っていたのに、なんで止めなかったんだということです。被害にあった女子児童が“死ね”と言われたことや給食に虫を入れられたことも先生は知っていました。被害者の子も加害者の子も先生は見ていたと言っています。 この段階で止めていればこんなに子どもが苦しむことはなかったんですが、当時担任だった女性の先生も被害生徒に足を引っかける、授業で難しい問題を答えさせ、正解、不正解に関係なく回答に対して“あなた馬鹿ね”とほかの児童の前で言うことを何度も繰り返していたなどの行為をしていたそうです」 何も動かなかった校長にも大きな問題があると訴える。「校長先生は3月に退職なので、このまま逃げ切ろうと考えていると思うんです。 “私は3月で退職だから勘弁して”と被害者家族にも言っています。被害者と加害者が明らかになっているのに、事なかれ主義や自分たちの体裁のために学校がいじめ問題と向き合わないのはよくないです」 被害者と加害者が協力して求めているのはただ一つ。「子どもたちはみんな学校に行きたいんです。加害者の子も嫌いでいじめていたのではなくて、本当は友達になりたかったんだけど、持っていたものがうらやましいとか、かわいかったからやってしまった。すでに被害者の家族と加害者の家族は仲良くなっていますし、子どもたち同士もよく会っています。 ただ、被害児童は学校には行けない。先生にもいじめられていたので、また大人にいじめられるんじゃないかと思ってしまって、学校が怖いという状況です。けれど、先生は何もしてくれない。だから被害者の親たちもまた学校に行かせるのが不安なんです」地域の方の説明会では“いじめは被害者たちの茶番劇だ”と説明 学校にこのいじめの件について問い合わせたところ、「‘21年度にいじめが発生したことで、保護者会を実施し、いじめの状態や対応、対策をしていたところで、‘22年度にもいじめが発生しましたので、現在はそれに対応していたところでした。YouTubeなどに今回の件が投稿されたことで、全校の保護者と地域の方にも入っていただいて、説明会を実施しました。 そこで、学校で把握していたいじめの事実やその対応が至らなかった点があったことに関しては謝罪をさせていただきました。当該学年の保護者の懇談会も2回実施して、いろんなご意見をいただいて、教育委員会など、関係機関とも協議して、取り組んでいるところです」 という回答だった。ところが、加藤さんによるとこの地域の方への説明会や当該学年の懇談会でも問題は起きていた。「全校の保護者に向けた説明会で校長はいじめを認めて謝罪していますが、地域の方たちの説明会では全く違うことを言っているようです。“本当はいじめはなかった”とか、“いじめは被害者たちの茶番劇だ”と。いじめを認めた6人のほかにも加害者とされる児童が数人いて、いじめたことを認めていない人もいます。 どうやらその認めていない加害者と校長が結託して、自治体にいじめはないと言っているようです。被害者家族に対して“バットでぶっ飛ばす”と脅してくる人もいました。当該学年の懇談会でも、“本当にいじめはあったのか”“茶番じゃないのか”と被害者側が責められている状況です」 このような事態に被害者家族は精神的に弱ってきているというが……。「被害者家族や加害者家族の方たちの意思は固くて、何があっても負けないという感じです。今後については、いじめが起こらず、安心して学校に通うことができるために、先生たちがどう改善していくかという案がほしいのですが、学校は対応しない。 今月で現在の校長は退職してしまうので、その後は、次の校長に向き合ってもらうということになります。本当は今の校長がいる間に何とかできたらいいのですが。こちらとしても、校長を責めたいわけではなくて、やることをやってから退職してほしいということです」 教育者なら間違ったことをしてしまった子どもたちを正しい道に導くのも役目の一つ。逃げるのではなく、しっかりと向き合い、子どもたちが笑顔で通うことのできる環境を作ってほしい。
三重県四日市市立高花平小学校で起こったとされる衝撃的な内容のいじめ。YouTubeやTwitterに投稿された内容によると、小学生の女子児童が、日常的に暴言を吐かれ、鉛筆などの文房具を盗まれる、給食に虫やごみを入れられ、食べなかったら暴力を振るわれる、最終的には鉛筆で刺されるといった暴力行為まで行われていた。
この問題について、被害者や加害者とその家族から話を聞き、YouTubeで発信を続ける加藤秀視さんに詳しい話を聞いたところ、学校のずさんな対応など、事態は深刻かつ複雑なようだ。
「まず‘20年にいじめが始まり、そこから約2年間にわたって続きました。その間に一度、被害者の保護者の方が学校に話をして、第三者委員会が立ち上げられて、調査が入ったようです。ですが、大した調査もせずに終わってしまい、結果的にいじめが終わることはなく、さらに別の男の子に対するいじめも発覚しました。この男の子のいじめについての第三者委員会が2月くらいに立ち上がりましたが、こちらも真剣に調査はされていないようです」
被害にあった女子児童の家族は、いじめが発覚してすぐに学校に相談をしたという。
「第三者委員会が頼りにならないので、被害者の親御さんが学校でいじめが起こるのは良くない、校長と一緒に学校を良くしようと最初は動いていたんです。しかし、校長は口だけで何も対応しなかったため、被害者の親御さんが自ら行動を起こしました」(加藤さん、以下同)
そうした経緯から、いじめなど学校での問題を扱っている人権活動家の加藤さんのところに連絡があった。だが、被害者側からだけでなく、加害者側からも学校にいじめの問題に向き合ってほしい訴えがきていたそう。
「連絡をもらった当初は被害者と加害者が状況をわかっているなら自分たちで解決できるのではないかと思いました。ですが何度も連絡をくれるので話を聞いたら詳細がわかり、普通ではないと思ったので、僕が入る形になりました」
加害者の6人の子どもたちと、その親はいじめをしたことを認めて謝罪している。問題視しているのは学校側の“隠蔽体質”だという。
「学校の先生は見ていて知っていたのに、なんで止めなかったんだということです。被害にあった女子児童が“死ね”と言われたことや給食に虫を入れられたことも先生は知っていました。被害者の子も加害者の子も先生は見ていたと言っています。
この段階で止めていればこんなに子どもが苦しむことはなかったんですが、当時担任だった女性の先生も被害生徒に足を引っかける、授業で難しい問題を答えさせ、正解、不正解に関係なく回答に対して“あなた馬鹿ね”とほかの児童の前で言うことを何度も繰り返していたなどの行為をしていたそうです」
何も動かなかった校長にも大きな問題があると訴える。
「校長先生は3月に退職なので、このまま逃げ切ろうと考えていると思うんです。 “私は3月で退職だから勘弁して”と被害者家族にも言っています。被害者と加害者が明らかになっているのに、事なかれ主義や自分たちの体裁のために学校がいじめ問題と向き合わないのはよくないです」
被害者と加害者が協力して求めているのはただ一つ。
「子どもたちはみんな学校に行きたいんです。加害者の子も嫌いでいじめていたのではなくて、本当は友達になりたかったんだけど、持っていたものがうらやましいとか、かわいかったからやってしまった。すでに被害者の家族と加害者の家族は仲良くなっていますし、子どもたち同士もよく会っています。
ただ、被害児童は学校には行けない。先生にもいじめられていたので、また大人にいじめられるんじゃないかと思ってしまって、学校が怖いという状況です。けれど、先生は何もしてくれない。だから被害者の親たちもまた学校に行かせるのが不安なんです」
学校にこのいじめの件について問い合わせたところ、
「‘21年度にいじめが発生したことで、保護者会を実施し、いじめの状態や対応、対策をしていたところで、‘22年度にもいじめが発生しましたので、現在はそれに対応していたところでした。YouTubeなどに今回の件が投稿されたことで、全校の保護者と地域の方にも入っていただいて、説明会を実施しました。
そこで、学校で把握していたいじめの事実やその対応が至らなかった点があったことに関しては謝罪をさせていただきました。当該学年の保護者の懇談会も2回実施して、いろんなご意見をいただいて、教育委員会など、関係機関とも協議して、取り組んでいるところです」
という回答だった。ところが、加藤さんによるとこの地域の方への説明会や当該学年の懇談会でも問題は起きていた。
「全校の保護者に向けた説明会で校長はいじめを認めて謝罪していますが、地域の方たちの説明会では全く違うことを言っているようです。“本当はいじめはなかった”とか、“いじめは被害者たちの茶番劇だ”と。いじめを認めた6人のほかにも加害者とされる児童が数人いて、いじめたことを認めていない人もいます。
どうやらその認めていない加害者と校長が結託して、自治体にいじめはないと言っているようです。被害者家族に対して“バットでぶっ飛ばす”と脅してくる人もいました。当該学年の懇談会でも、“本当にいじめはあったのか”“茶番じゃないのか”と被害者側が責められている状況です」
このような事態に被害者家族は精神的に弱ってきているというが……。
「被害者家族や加害者家族の方たちの意思は固くて、何があっても負けないという感じです。今後については、いじめが起こらず、安心して学校に通うことができるために、先生たちがどう改善していくかという案がほしいのですが、学校は対応しない。
今月で現在の校長は退職してしまうので、その後は、次の校長に向き合ってもらうということになります。本当は今の校長がいる間に何とかできたらいいのですが。こちらとしても、校長を責めたいわけではなくて、やることをやってから退職してほしいということです」
教育者なら間違ったことをしてしまった子どもたちを正しい道に導くのも役目の一つ。逃げるのではなく、しっかりと向き合い、子どもたちが笑顔で通うことのできる環境を作ってほしい。