練炭、酒の瓶、首に絞められた痕…事件の真相は 福岡・西区海岸遺体

福岡市西区の海岸で男性の遺体が見つかった事件は24日で発生から1週間。首に縄状のものが巻かれ、福岡県警は何者かに絞殺されたとみて捜査本部を設置したが、容疑者の逮捕には至っていない。自殺を装うような現場の状況も、謎を深めている。
福岡・西区海岸の男性遺体 事件前夜に現場で殺害か 県警によると、遺体は17日午前9時5分ごろ、西区今宿青木の長垂(ながたれ)海岸の砂浜に張られた1人用テント内で見つかった。テントは道路から砂浜に下りるスロープの脇にあり、上半身だけをテントの外に出し、スロープの壁に寄りかかるような状態で倒れていた。

亡くなったのは住居・職業不詳、山本駿一さん(26)。首には凶器とみられる幅約1センチの縄状のものが巻かれ、強く絞められた痕があった。司法解剖の結果、死因は窒息死。17日午前3~6時ごろに殺害されたとみられ、県警は18日に捜査本部を設置した。 不可解なのは、周囲に練炭が散乱していた点だ。 捜査関係者によると、練炭はテントの内外に置かれ、一部に焼かれた跡もあった。狭いテント内で練炭を燃やせば一酸化炭素中毒になる危険があり、ある捜査幹部は「自殺を装って殺害した可能性も視野に調べているが、よく分からない」と首をひねる。 周辺住民によると、現場の砂浜で冬場にキャンプをする人はほとんどいないといい、山本さんが現場にいた経緯も謎が残る。 捜査関係者によると、現場近くの防犯カメラに事件前、山本さんに似た服装の人物が海岸方面に歩く様子が映っていた。現場に山本さんの所持品とみられるリュックサックは残されていたが、替えの衣類などはなく、生活実態は不明だ。 死亡推定時刻の約半日前となる、16日午後6時前後に海岸を訪れた複数の住民は「テントは見当たらなかった」と口をそろえる。捜査関係者によると、遺体に引きずられた痕はなく、山本さんは前日夜以降に現場を訪れて何らかのトラブルに巻き込まれ、その場で殺害された可能性が浮かぶ。 事件を通報した住民男性は、現場に「空のカップ酒の瓶が3本あった」と話す。ただ、発見時に山本さんの着衣に乱れはなく、テント内で争った形跡もなかった。山本さんの所持品とみられる小銭入れやスマートフォンも残されていた。 県警は、山本さんが事件前に知人と一緒にいた可能性もあるとみて、現場に残る指紋やDNA型を鑑定するほか、スマホを解析して事件直前に連絡を取った人がいないかなどを調べる。【佐藤緑平、河慧琳】
県警によると、遺体は17日午前9時5分ごろ、西区今宿青木の長垂(ながたれ)海岸の砂浜に張られた1人用テント内で見つかった。テントは道路から砂浜に下りるスロープの脇にあり、上半身だけをテントの外に出し、スロープの壁に寄りかかるような状態で倒れていた。
亡くなったのは住居・職業不詳、山本駿一さん(26)。首には凶器とみられる幅約1センチの縄状のものが巻かれ、強く絞められた痕があった。司法解剖の結果、死因は窒息死。17日午前3~6時ごろに殺害されたとみられ、県警は18日に捜査本部を設置した。
不可解なのは、周囲に練炭が散乱していた点だ。
捜査関係者によると、練炭はテントの内外に置かれ、一部に焼かれた跡もあった。狭いテント内で練炭を燃やせば一酸化炭素中毒になる危険があり、ある捜査幹部は「自殺を装って殺害した可能性も視野に調べているが、よく分からない」と首をひねる。
周辺住民によると、現場の砂浜で冬場にキャンプをする人はほとんどいないといい、山本さんが現場にいた経緯も謎が残る。
捜査関係者によると、現場近くの防犯カメラに事件前、山本さんに似た服装の人物が海岸方面に歩く様子が映っていた。現場に山本さんの所持品とみられるリュックサックは残されていたが、替えの衣類などはなく、生活実態は不明だ。
死亡推定時刻の約半日前となる、16日午後6時前後に海岸を訪れた複数の住民は「テントは見当たらなかった」と口をそろえる。捜査関係者によると、遺体に引きずられた痕はなく、山本さんは前日夜以降に現場を訪れて何らかのトラブルに巻き込まれ、その場で殺害された可能性が浮かぶ。
事件を通報した住民男性は、現場に「空のカップ酒の瓶が3本あった」と話す。ただ、発見時に山本さんの着衣に乱れはなく、テント内で争った形跡もなかった。山本さんの所持品とみられる小銭入れやスマートフォンも残されていた。
県警は、山本さんが事件前に知人と一緒にいた可能性もあるとみて、現場に残る指紋やDNA型を鑑定するほか、スマホを解析して事件直前に連絡を取った人がいないかなどを調べる。【佐藤緑平、河慧琳】