分別ルールを守らないことで起きるゴミ収集車の火災 消防局がSNSで緊急の呼びかけ

名古屋では、ごみ収集車から突然、火が出る事故が水曜日に集中しています。ずさんなごみの分別が原因とみられ、消防局がSNSで緊急の呼びかけを行う事態となっています。
けさ、名古屋市の住宅街を走る「ごみ収集車」。 見慣れた日常の光景ですが、作業をしている方たちには、こんな思いが・・・ 「本当、最近は特に心配なことが多いです」(収集作業員) 作業員が「心配」する理由・・・それは水曜日が「不燃ごみの収集日」だからです。
ごみ収集車の後ろで行われている、消火活動。 真っ白な煙が立ち込め、付近の道路は一時、通行止めになりました。 収集車から、かきだされた真っ黒な燃えカスの中には、発火性危険物の「使い捨てライター」のようなものが・・・ 名古屋市消防局によりますと、先週水曜日の1日だけで、ごみの収集の際に、3件の火災が発生。 過去10年間で起きた、ごみ収集車の火災のデータを見ても、9割近くが水曜日に集中していて、まさに“魔の水曜日”です! 「モバイルバッテリーをプレスした時に熱で出火の一歩手前など結構ある」「(モバイルバッテリーは)みんな持っているので、なるべく見つけるようにしている」(収集作業員) こちらの不燃ゴミ。袋の中からカセットコンロが出てきました。
こちらは、実際のごみ収集車を使って、ガスボンベを押しつぶす実験の映像です。 ボンベから出た火は、またたく間に、ほかのごみに燃え移っていきました。 ボンベに残ったガスに、引火したとみられます。 3年前、名古屋市内で起きた、ごみ収集車の火災。 ガスボンベの破裂が原因とみられていて、車体に大きな穴があく大事故となりました。 名古屋市では、こうしたスプレー缶などについては、「不燃ごみ」ではなく「発火性危険物」として、別の日に収集しています。 一方、こちらはリチウムイオン電池が入ったモバイルバッテリー。ごみ収集車で押しつぶしてしまうと、単に燃え上がるだけではなく・・・ 電池が破裂し、周囲にいる人たちが、けがをする恐れもあります。 こうしたリチウムイオン電池を含む、電池類について名古屋市は去年7月、収集の方法を変更。 これまでは、電池の種類によって異なっていましたが、週に1回、一括して収集するようになりました。
名古屋では、過去5年間で、ごみ収集車の火災が2018年度27件、2019年度は33件、2020年度31件、2021年度26件、発生。 2022年度は、1月末時点で12件にとどまっていましたが先週水曜日は3件発生し、再び警戒感が高まっています。 こちらは、けさの名古屋市の防災指令センター。 市内すべての119番通報を受け、消防署へ出動指令などを出しています。 きょうは、要警戒の“魔の水曜日”。指令センターには、朝、どことなく緊張感が・・・ お昼になり、きょうの不燃ごみ収集は、ほぼ終わりの時間となりました。 「防災指令センターです。きょうは朝からここで密着していますが、ごみ収集に関連する火災はありませんでした」(記者) きょうは幸い、先週のようなごみ収集に関連した火災は、発生しませんでした。 しかし、「水曜朝の警戒」は、今後も続きます。 「SNS等を使った広報による、不燃ごみに使用済みのスプレー缶やカセットコンロのガスボンベ、ライターが入らないようにお願いしますと広報を行っている」(名古屋市消防局 予防部予防課 細原涼司さん)
名古屋市消防局では、“魔の水曜日”を前にきのう、ツイッターで「不燃ごみ回収日に火災増加」と画像付きで、緊急で注意を呼び掛けました。 さらに、ユーチューブを使って、「スプレー缶の正しい廃棄方法」などを動画で紹介する取り組みも行っています。 新生活に伴う引っ越しなど、何かと片付け作業が増える春。 名古屋市消防局では、いま一度、ごみの正しい分別方法を確認してほしいと呼び掛けています。 「ごみ収集車の火災を防ぐためにも、発火の危険性がある使用済みのスプレー缶やカセットコンロのボンベ、ライターの分別をいま一度確認してもらい、絶対に不燃ごみの方に混ざらないようにしてほしい」(名古屋市消防局 予防部予防課 細原涼司さん) (2月22日15:40~放送メ~テレ『アップ!』より)