ため池377か所で決壊の危険性、県「築造から100年以上経過もある」

地震や豪雨で決壊した場合、人的被害をもたらす可能性がある「防災重点農業用ため池」で、377か所で決壊の危険性が高いことが香川県の調査でわかった。
改修工事が全面的に行われていないため池の3割弱にあたり、県は2023年度から工事の準備に取りかかり、30年度末までの完了を目指す。
県によると、県内の防災重点農業用ため池は3049か所。18年の西日本豪雨を受けた「ため池工事特措法」に基づき、県は20年10月~今年9月、未改修の1440か所の老朽化などを調査した。
その結果、179か所はため池の堤体(ていたい)、取水施設、大雨などの時に水を逃すための洪水吐(こうずいばき)の全てが劣化。堤体を中心に老朽化した198か所と合わせた377か所を、「全面改修か廃止を検討」と判断した。
このほか、393か所は劣化が部分的で、状況によって全面改修か廃止を検討。残りは「経過観察」「日常管理」とした。県土地改良課は「築造から100年以上経過しているため池もある。豪雨と地震に耐えうるよう工事を進めていく」としている。