求む、バブル崩壊で教員を断念した40~50歳代…文科省が「就職氷河期世代」の積極採用通知へ

文部科学省は、バブル経済崩壊後の「就職氷河期世代」で公立学校の教員になれなかった社会人の採用を促進する。
深刻化する教員のなり手不足対策にもつなげたい考えだ。
政府が今月まとめた氷河期世代の支援強化に向けた取り組みの一環。文科省は24日午後にも、全国の教育委員会に積極採用を促す通知を出す。
1991年のバブル経済崩壊で、日本の雇用状況は急速に悪化。政府は93~2004年頃に社会に出た人たちを、氷河期世代と位置づけており、現在は40~50歳代になっている。
文科省の調査によると、公立小中学校の教員採用試験で過去最高の採用倍率は、氷河期にあたる00年度で、小学校は12・5倍、中学校が17・9倍だった。これに対し近年は教員のなり手不足が顕著で、24年度採用では小学校が2・2倍、中学校は4・0倍と、いずれも過去最低に落ち込んでいる。
文科省は、高倍率のため教員をあきらめざるをえなかった氷河期世代の人が多くいるとみている。通知では、教養試験を含む一部試験免除や、社会人経験を考慮して加点する措置などの検討を求める。
また、教員免許を持っていても指導経験がない氷河期世代を含むペーパーティーチャー(潜在教員)がスムーズに教壇に立てるよう研修を充実させる。独立行政法人「教職員支援機構」(茨城県つくば市)の協力を得て、文科省は基礎的な指導方法を学べるオンライン教材を増やす方針だ。