ドッグランで大型犬に衝突されて後遺症が残ったとして、兵庫県内の40歳代男性が飼い主に約3500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪高裁は18日、飼い主に1600万円の賠償を命じた。
嶋末和秀裁判長は、リードを外して自由に犬を走らせるドッグランについて、「適切な管理下にある犬の利用が想定され、飼い主の注意義務は軽減されない」と判断した。
判決によると、男性は2021年2月、大阪市内のドッグランで、時速11キロ以上で走っていたゴールデンレトリバー(体重約28キロ)に背後から衝突されて転倒。左足を負傷し、左肩の可動域が狭くなる後遺症が残った。
今年1月の1審・神戸地裁尼崎支部判決は、飼い主が犬の動静を監視し、事故の回避も不可能だったとして男性の請求を棄却した。
これに対し、高裁は「犬が遊びに夢中になり、人にぶつかる危険性を予見できた」と指摘。犬が興奮状態だったのにリードを付けず、「止まれ」などの指示も行わなかったとし、「注意義務を尽くしたと認められない」と結論付け、1審判決を変更した。