「積水ハウスを信頼して、土地と建物を合わせて7000万円もする一戸建てを購入しました。一戸建てのマイホームを持つことにずっと憧れがあったんです。それなのに――配管の水漏れや無数のビス穴、締め忘れたボルトや床の黒ずみなど、入居したその日から次々と欠陥が見つかり、修繕工事をする度に問題が発生して……この有り様です」
２階の天井が無惨に剥がされ、鉄骨や梁が剥き出しとなったマイホームで、40代の主婦Ａ子さんは静かに憤るのだった。
’17年１月――Ａ子さんは夫と義母の３人で兵庫県内の住宅展示場を訪ね、積水ハウスの営業担当者から同社の建売住宅を勧められた。社宅の退去日が迫っていたＡ子さん夫妻は、Ａ子さんの実家や最寄り駅へのアクセスがいい地上２階建て、延べ床面積118屬里修僚斬陲魑い貌り、夢のマイホームを買う決断を下した。設計は積水ハウスの一級建築士。「大手ハウスメーカーだから信頼できる」と、すべてを委ねた。だが、夢を抱いて入居したその日からトラブルが待っていた。
「’17年９月25日の引き渡しだったのですが、その日のうちにトイレで水漏れが起きました。積水ハウスの担当者に連絡して、下請けの施工業者を呼んで直してもらったのですが、よく見るとシルバーで依頼していた玄関のインターフォンが黒になっていたので、それも急いで交換してもらいました。この時点で、積水ハウスには少し不信感を抱きました。すぐに次の欠陥が見つかりました。階段を登った先に２階の部屋に入るドアがあるのですが、設計図のサイズより小さくなっていて、家具が入らなかったのです。入居から１ヵ月以上が過ぎた11月になって、ようやく拡張工事が始まったのですが、その工事で２階のフローリングにいくつもビス穴が空いてしまった。現場監督はパテ埋めして補修しようとしましたが、最終的には張り替えることになりました」
そしてこのフローリングの張り替え工事により、Ａ子さんと積水ハウスとの間に埋めがたい溝が生じるのだった。
「何を間違えたのか、床板と一緒に２階のトイレまで撤去してしまったのです。おかげで、配管の工事もしなきゃいけなくなってしまった。おまけに、トイレを撤去する際、階段わきの壁の石膏ボードにぶつけて傷までつけていて……修繕工事をする度にマイホームが壊れるという異常事態でした」
度重なる不手際を積水ハウスも認めて、Ａ子さんに書面上で謝罪。トイレの配管や傷がついた石膏ボードなどについて、再度工事をする旨を通達している。しかし、トイレの無断撤去によって発生した配管工事を巡って、またもトラブルが発生する。
「積水ハウスは配管の一部を切断して交換する案を提示しました。ただ、それだと新しく接合した部分からまた水漏れするリスクがあると担当者から説明された。私は、この際だから２階の配管を全部やり直してほしいと伝えたんです。ところが、積水ハウスは『自分たちの提示したやり方が合理的』として譲らず、７年経った現在も工事はストップしているのです。外部の調査会社に家を調べてもらうと、配管の勾配不足や基礎部分のひび割れ、ボルトの締め忘れなど、新たに10ヵ所もの不具合が指摘されました。その後、’19年２月に当時の技術部長が窓口になり、『今後は弁護士を入れて話し合う』と告げられました」
『FRIDAY』2025年6月20日号より