仕事のミスの罰金と称して、現金を脅し取った疑いで病院の元看護部長と元事務部長が逮捕された。部下の看護師から、総額3000万円を徴収していた可能性があるという。
職場の上下関係を利用した、罰金という名の恐喝行為。名古屋市内の病院で、日常的に行われていたとみられている。
2月17日朝、表情をほとんど変えぬまま警察署から移送された白石洋二容疑者(56)
もう1人は、勤務先のホームページに微笑みを浮かべて掲載されていた小河ひとみ容疑者(61)。
2人は北林病院の元看護部長と元事務部長で、2019年に当時55歳だった部下の女性看護師から、仕事のミスの罰金と称して現金約123万円を脅し取った疑いで逮捕、送検された。
一体どのようにして部下から罰金を脅し取っていたのか?その現場を目にしていたと言う関係者に話を聞いた。
内情を知る関係者:基本、仕事のミスを理由に、小さなたわいもないことで100円とか1000円くらいの金額を取られていたのは見ていますね
日常のささいな行為が、ミスにカウントされていたと言う。
内情を知る関係者:僕がよく耳にしてたのは、電話に出ない、PHSを…院内で使える、アレに出ないだけで罰金の請求をされてたことがありました。言い訳するなみたいな感じで…
スタッフ間の電話に出そびれただけで罰金。弁明の機会も与えられないまま、看護部長の白石容疑者に徴収されていたと言う。この関係者が目撃した、1回ごとの罰金徴収額は100円から多くても1000円だった。しかし、総額は膨らんでいったと言う。
内情を知る関係者:(白石容疑者は)何かにつけて、被害者女性の仕事のミスに結びつけるところがあったんで、(被害者から話を聞いた)この時は冬のボーナスをもらう時期だったので、その金額を全て押さえられているという話を聞きました
警察の調べによると、事務部長だった小河容疑者は同じ女性看護師を電話で次のように脅していたという。
小河容疑者:(被害者への電話)あんたは、これからどんどんやらかすから罰金がどんどん増えていくよ。それをどう返済していくのか、考えてもってこい
度重なる罰金に加え、言葉による恫喝。単なる「パワハラ」では言い尽くせない仕打ちに、女性看護師は精神的にも追い詰められていったという。
内情を知る関係者:「お金を支払わなければ、寮を退寮させる」とか「愛知県内の病院で働けなくする」とか、そういう脅し文句があったことは被害者女性から聞いています
内情を知る関係者:それを、“退職金の前借り”という形で多額のお金を借りたみたいですね
捜査関係者によると、2人の容疑者が女性看護師から脅し取った総額は3000万円ほどにのぼる可能性があるという。警察の調べに対し、小河容疑者は「恐喝して受け取ったわけではない」と供述。
白石容疑者も、「相手から受け取ってほしいとお願いされた」と共に容疑を否認している。
(イット! 2月17日放送より)