金沢市に本社を置く化粧品会社グループが、東京国税局などの税務調査を受け、およそ38億円の所得隠しを指摘されていたことが分かりました。
所得隠しを指摘されたのは、化粧品などを販売する「I・TEC INTERNATIONAL(アイテック・インターナショナル)」で、関係者によりますと、架空の経費を計上するなどの手口で利益を少なく見せかけるなどして、グループ全体で38億円の所得隠しを指摘されたということです。
会社は、新規の顧客を獲得した会員に報酬を支給する仕組み、いわゆる「マルチ商法」を展開し、2020年11月期でおよそ140億円の売上高がありました。
国税局は、グループ全体でおよそ49億円の申告漏れがあったと指摘し、このうちおよそ38億円について、偽装や隠ぺいを伴う所得隠しがあったと判断しました。
会社は去年10月、本社を東京から金沢市に移転し、社名を「AIRS JAPAN(アース・ジャパン)」に変更していて、北陸放送の取材に対し「取材は受け付けていない」と回答しました。
ITEC社をめぐっては消費者庁が2021年8月、マルチ商法に関して虚偽の説明をしたなどとして、6か月間の取引停止や業務停止を命じていました。