地震が相次ぐトカラ列島ですが、トカラ列島はもともと火山でできた島々です。今も地下にはマグマがあるとみられています。地震の専門家は、一連の地震について「マグマの動きが関与している可能性がある」と指摘しています。
(西村卓也教授)「マグマの移動に伴って地震が頻発していると考える」
南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会の委員で、地殻変動論が専門の京都大学・西村卓也教授です。トカラ列島の群発地震の原因を「地下のマグマの動きが海底の断層を刺激している」とみています。
(西村卓也教授)「マグマが移動するときに周辺の岩盤を割ったり、周辺の断層を刺激して、この多数の地震につながっているのではないか」
また、一連の地震の発生場所が分かれていることについて、それぞれ別の断層にマグマの動きが関与していると考えています。
(西村卓也教授)「もともとの断層の向きが違うところで活発化している。この両方にマグマとか火山活動が関与して、両方の断層に地震を活発化させていると思っている」
群発地震の場合、最大震度がそれほど大きくならないことが一般的ですが、十島村では2週間程度で震度5弱以上の揺れが8回観測されています。
(西村卓也教授)「(トカラ列島の地震は)規模からいうと、そこまで大きい地震とは言えない。ただ、地震が起こっている場所が『人が住んでいる島に近い』かつ『震源が浅い』ということで、非常に大きな震度が観測されている」
今後の見通しについて、さらに規模の大きな地震が発生する可能性も指摘します。
(西村卓也教授)「一つ警戒しなければいけないのは、群発地震が影響して、周辺のさらに大きな断層を刺激して、大きな地震を引き起こしてしまうこと。能登半島地震は2024年元日の地震の前、2年以上にわたって群発地震がずっと続いた地域だった。『群発地震だから小規模の地震だけで終わる』とは思わないほうがいい」
西村教授は、地震は日本中どこでも起こりうると話しています。自分事として大きな揺れに備えることが大切です。
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