マルチ商法?で保釈中の社長 「違法行為も患者のため」

がん患者らの不安をあおる「マルチ商法」と批判されている医療ベンチャー「ウィンメディックス」(東京都千代田区)の社長、白木茂被告(45)=組織犯罪処罰法違反などで起訴=が、3月に警視庁に逮捕された後、初めて公の場に姿を見せた。白木被告は「違法かもしれないと思ったが、患者のためだった」などと述べ、今後も同社の事業を継続する姿勢を示した。
がん患者に未公開株、死後メールで「売却できません」 白木被告は5月22日に保釈された。31日に都内で開かれた株主総会に出席し、この冒頭「多大なご迷惑とご心配をお掛けした」と謝罪し深々と頭を下げた。

その上で「患者を助けなきゃいけない、少し法律に触れてもスピードを落としたくないという気持ちがあった」と弁明。弁護士から意向を聞かれ、会社を存続させるために罪を認めることを選んだと主張した。 ウィン社は「がんが治る薬を開発した」として、自社の未公開株を販売していた。警視庁によると、がん患者を中心に約1万5000人に株を売り、約80億円を得ていたとされる。 白木被告らは、金融商品取引法違反と組織犯罪処罰法違反の疑いで逮捕、起訴された。起訴内容は2021年12月~22年3月、無登録で株を販売しながら、約1500人から受け取った購入代金約7億円が寄付金であるかのように見せかけるため、株式の無償譲渡を装ったとしている。 ウィン社の株販売は、購入者を勧誘した人に手数料が支払われる、ネットワークビジネス(マルチ商法)の形式を取る。自社の製品が近く医薬品として承認されると説明し、高額配当をほのめかしていた。 だが、これまで株の配当は一度も支払われたことがなく、一部の株主が購入代金の返還を求めて訴訟を起こしている。原告の株主の代理人、藤森克美弁護士は「高齢者や病気のある人の弱みにつけこんで、次々にお金を引き出す悪質なやり方だ」と指摘する。 また、がんに効くとうたって販売されている製品の摂取を続け、病状が悪化したり、死亡したりした患者の存在も次々と明らかになっている。【太田敦子】
白木被告は5月22日に保釈された。31日に都内で開かれた株主総会に出席し、この冒頭「多大なご迷惑とご心配をお掛けした」と謝罪し深々と頭を下げた。
その上で「患者を助けなきゃいけない、少し法律に触れてもスピードを落としたくないという気持ちがあった」と弁明。弁護士から意向を聞かれ、会社を存続させるために罪を認めることを選んだと主張した。
ウィン社は「がんが治る薬を開発した」として、自社の未公開株を販売していた。警視庁によると、がん患者を中心に約1万5000人に株を売り、約80億円を得ていたとされる。
白木被告らは、金融商品取引法違反と組織犯罪処罰法違反の疑いで逮捕、起訴された。起訴内容は2021年12月~22年3月、無登録で株を販売しながら、約1500人から受け取った購入代金約7億円が寄付金であるかのように見せかけるため、株式の無償譲渡を装ったとしている。
ウィン社の株販売は、購入者を勧誘した人に手数料が支払われる、ネットワークビジネス(マルチ商法)の形式を取る。自社の製品が近く医薬品として承認されると説明し、高額配当をほのめかしていた。
だが、これまで株の配当は一度も支払われたことがなく、一部の株主が購入代金の返還を求めて訴訟を起こしている。原告の株主の代理人、藤森克美弁護士は「高齢者や病気のある人の弱みにつけこんで、次々にお金を引き出す悪質なやり方だ」と指摘する。
また、がんに効くとうたって販売されている製品の摂取を続け、病状が悪化したり、死亡したりした患者の存在も次々と明らかになっている。【太田敦子】