日本航空の羽田発福岡行きの便が11日夜、エンジンの不具合などで出発が遅れて福岡空港(福岡市)に着陸可能な午後10時に間に合わなくなり、行き先を変更して約60キロ離れた北九州空港(北九州市)に代替着陸した。
同社の便が福岡空港の「門限」を理由に北九州空港に代替着陸したのは初めて。
同社によると、11日午後6時45分に羽田を出発する331便(乗客281人)でエンジンの不具合が見つかり、機体の変更などで出発が約3時間遅れた。福岡空港の利用時間内に着陸できなくなったため、目的地を北九州空港に変更し、同空港には午後11時18分に到着した。同社はバスを5台手配し、乗客のほとんどを福岡市内に送り届けた。
福岡空港は市街地に近く、騒音対策のため離着陸時間を原則午前7時~午後10時に制限している。今年に入り、日本航空や全日空、スカイマークで、羽田発福岡行きの便が利用時間に間に合わず羽田に引き返す事案が3件相次いでおり、福岡県や北九州市などは、24時間利用可能な北九州空港で受け入れようと、調整を進めていた。
北九州市によると、今回の代替着陸では、乗客の交通手段や宿泊施設の手配先を確保するため、同市や県が事前に作成していたバスや宿泊事業者などの協力事業者名簿が活用されたという。市の担当者は「24時間空港としての大きな強みが生かされた」と話していた。