悠仁さまはわずか2歳で“運命の出会い”を…「よき話し相手」「大人になったんだな」秋篠宮さま60歳が明かされた“大きな変化”とは?

11月30日に60歳の誕生日を迎えた秋篠宮さま。今年成年式に臨まれた悠仁さま(19)については、「家庭では私の良き話し相手になってくれています」「大人になったんだなと感じました」などと話された。
【画像】ピンクのワンピース姿で…家族と挨拶を交わす若かりし頃の紀子さま
秋篠宮さまの貴重な肉声をつづった『秋篠宮』(2022年/小学館)などの著書をもつ、ジャーナリストの江森敬治氏は、秋篠宮さまの言葉から“ある変化”が見て取れるという。

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秋篠宮さまは11月30日で60歳、還暦の誕生日を迎えた。これに先立って東京・元赤坂の赤坂東邸で行われた記者会見で、長男の悠仁さまについて、「家庭では私の良き話し相手になってくれています」と、語った。さらに、最近、悠仁さまと一緒に稲刈りをしたことや授業の都合で大学のある茨城県つくば市に泊まる時、悠仁さまが自炊をして、ポテトサラダや栗ご飯を作ることも紹介するなど、19歳の素顔を次々と明らかにしている。
大阪・関西万博を視察される悠仁さま JMPA
悠仁さまが筑波大学への入学を決めたのは、大好きなトンボなどを深く学べるからだった。悠仁さまといえばトンボである。両者の出会いは、今から約17年も前、悠仁さまが、まだ2歳になる直前の、2008年8月にまで遡ることができる。
当時、秋篠宮ご一家は静養のため、栃木県にある那須御用邸に滞在していた。その折、秋篠宮さまが、トンボを捕まえた。そのトンボを、姉の眞子さんが幼い弟に手渡したのだった。この時の出会いこそが、悠仁さまの「トンボ研究人生」のスタートラインでもある。
じつは、この年の11月、秋篠宮さまの誕生日会見に同席した紀子さまが、悠仁さまについてこんな話をしていた。
「夏ごろからでしょうか、庭にいる小さな虫、バッタやカマキリなどを見つけて上手に捕まえて、手で持ったりまた袖に乗せたりしてよく観察しておりました」
そこから話は飛ぶが、2024年9月、紀子さまが誕生日を迎えた折に発表された文書では、悠仁さまが幼少期からトンボなどの昆虫や植物に興味をもち、研究を深めていく様子が生き生きと紹介されていた。

《小さかった頃、クヌギやコナラの林でカブトムシを探し、その幼虫を育て、烏山椒(からすざんしょう)の葉につくアゲハチョウの幼虫を見つけては観察していました。(中略)いつしか、自分の指よりも大きいトンボを手にとり、間近で複眼、翅(はね)や肢(あし)の特徴や、放したトンボの飛び方を観察して『これはなんだろう』『なぜだろう』『どうしてだろう』と昆虫の図鑑で調べるようになりました》
「なぜだろう」「どうしてだろう」という、子どもらしい素朴な疑問から出発し、失敗を恐れずに、悠仁さまが成長する様子が理解できる。
2023年、悠仁さまが関わった学術論文「赤坂御用地のトンボ相―多様な環境と人の手による維持管理」が話題となったが、これは、住まいのある赤坂御用地のトンボの多様な生息状況などを粘り強くモニタリング調査し、考察したものだ。悠仁さまは、トンボ類の生息環境などに強い関心を持ち、筑波大学生命環境学群生物学類への進学を決めた。2歳前から19歳に至るまで、悠仁さまのトンボへの情熱は一貫して揺るがない。
悠仁さまは、秋篠宮さまが40歳の時に誕生した。それだけに、父親が若い頃に生まれた2人の姉たちと比べ、どうしても悠仁さまが愛らしく感じられ、より大切に接していそうである。
悠仁さまが小さい頃、殿下は私に、「私は息子の頭やほっぺたをなでるのが、とても好きなんです」と、笑顔で打ち明けてくれたことがある。殿下は木登りは苦手なのだが、悠仁さまは高い木の上も平気でスイスイと登ってしまう。そんな息子を、木の下からハラハラしながら見守りながら、「早く降りて来い」と、いつも心の中で叫んでいると、殿下から伺ったこともある。

今でも殿下は、「かわいいですね」と、悠仁さまへの深い愛情を隠すことなく、友人たちに話す。
また、昆虫や動物、それに植物が好きなところは、父親と息子は共通している。それも2人とも、「大きいもの」を好むところがある。小さい頃、悠仁さまは図鑑を見ながら世界最大級の蛾・ヨナグニサンに、心ときめかせていた時期もあった。恐竜にも興味を持つ悠仁さまは、史上最大といわれる草食恐竜・アルゼンチノサウルスが好きで、殿下と2人で本を見ながら、「こっちが大きい」「こっちの方が大きいよ」とよく話し合っていた。
ある時期、悠仁さまは、超大型犬を自宅で飼いたいと考えていたらしい。紀子さまは「小さい犬もかわいいんじゃない」と水を向けたが、悠仁さまは頑として聞かなかったという。
結局実現はしなかったものの、大型犬に興味を持ったのも、やはり父親の影響だと思う。ともかく、2人はとても馬が合うようだ。
「家庭では私の良き話し相手になってくれています」。記者会見での秋篠宮さまのこの発言を聞いて、私はすぐ、以上のようなことを思い出した。これから、悠仁さまは、成年皇族として公的な活動の幅を広げ、トンボ類などの研究もさらに専門的になるだろう。秋篠宮さまと悠仁さま親子は、良き話し相手として、素晴らしいパートナーとして、より一層、親密さを増すものと思われる。

「長男の成年式に関係することですけれども、まず、私の中ではずっと小さいというイメージがあるんですね。その長男が、成年は去年終わっているわけですけれども、もう成年式ということになると、時の流れの速さを感じました。息子はかなり入念に成年式の準備をしていたようです。式自体と共に、その後、賢所でも参拝があり、(中略)所作などを何度も稽古していました。私はその期間の様子、それから成年式当日の様子を見ながら、大人になったんだなと感じました」

還暦を前にした記者会見で秋篠宮さまは、成年式を悠仁さまが無事に終えた感想などをこのように語っている。
今年9月6日、悠仁さまの成年式が皇居・宮殿などで荘厳に行われた。男性皇族の成年式は、秋篠宮さま以来、実に40年ぶりのことであり、その準備のため、悠仁さまは学業の合間を縫って、多忙な日々を過ごしたという。
「ずっと小さいというイメージ」を持っていた悠仁さまだが、賢所参拝の所作などを何度も稽古したり、成年式当日の様子を見るうちに、「大人になったんだな」と、つくづく感じたらしい。新しい視点から息子の素晴らしさを発見した、父親の深い感慨がにじみ出ていた。
「成長の様子というのは、同じ家に住んでいて毎日のように顔を見ていますので、連続的ですから、なかなか私として何が成長したというのは、よく分からないところがあります」

2023年11月の誕生日会見で秋篠宮さまは、当時、高校2年生だった悠仁さまについてこのように語っていたこともある。わずか2年間で、悠仁さまは大きく成長したのだろうか。そして、父親の息子への認識がこうも変わるものだろうか?
この“変化”を読み解くための、大きなヒントがある。
秋篠宮さまが還暦を迎えるのにあわせて私は、殿下を古くから良く知る赤木攻・大阪外国語大学名誉教授にインタビューをした(「週刊文春」2025年12月11日号)。赤木氏は40年にわたり、殿下と親しく接しており、今も秋篠宮家の学術顧問を務めている。
2016年8月、上皇さま(当時、天皇陛下)は「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」をテレビを通じて発表し、生前退位の意向を強くにじませたことがある。この時、秋篠宮さまは50歳だった。2019年5月に「平成」から「令和」へ代替わりし、秋篠宮さまは、皇位継承順位第1位の皇嗣という重い立場となり、次の天皇になることが約束された。
こうした経緯を踏まえながら赤木氏は、「50代のここ10年で、人間として大きく成長されたと思います」と、秋篠宮さまについて語り、「若いころの葛藤を乗り越えて、自分の役目、役割を強く自覚したというか……。“答え”を見つけはったのではないかな」と、高く評価したのだった。
皇位継承順位が第1位の皇嗣となるという大きな節目の前後で、秋篠宮さまは人間的にも大きく成長したのだと、赤木氏は鋭く指摘している。殿下と昵懇の間柄である赤木氏の言葉は、とても説得力がある。
成年式を終え、成年皇族の仲間入りを果たした悠仁さまもまた然りである。

人は、人生の大きな節目を経験することで、覚悟が決まり、有形無形の大きな力を与えられるのかもしれない。成年皇族となった悠仁さまもまた、一回りも二回りも大きく成長したのだと思う。
将来の天皇を見据え、父と息子は互いに切磋琢磨しながら、より進化を遂げていくことであろう。
(江森 敬治)