横浜・中3集団暴行死 少年の初公判、傷害致死罪成立争う 暴行事実も「それが原因で亡くなったとは考えていない」

横浜市保土ケ谷区の公園で2021年1月、中学3年の男子生徒=当時(15)=を集団暴行して死なせたとして、傷害致死の罪に問われた少年=起訴時(16)=の裁判員裁判初公判が30日、横浜地裁(吉井隆平裁判長)であった。少年は「暴行は事実だが、それが原因で亡くなったと考えていない」とし、弁護側は「傷害致死罪は成立せず、傷害罪にとどまる」と主張。暴行態様や、傷害致死罪の成立などを争うとした。
検察側は冒頭陳述で、少年について、他に男子生徒へ暴行を加えた少年6人との共謀は認められないとする一方、他の少年らの暴行で弱った生徒を転倒させて複数回殴るなどしており、生徒の死因となった急性硬膜下血腫の危険がある暴行を加えていた、と指摘した。
生徒は一連の暴行を受けた後に死亡した。検察側は、死亡の原因が少年6人の暴行か、今回の少年の暴行かは不明とした上で、どの暴行が原因で被害者が傷害を負ったか特定できない場合、関わった人を共犯とみなす刑法の特例を適用できるとし、「傷害致死罪の責任を負う」とした。
弁護側は、少年の暴行は、生徒の体を押し、利き手でない手で1度殴るなど軽度に過ぎず、特例適用の要件となる危険なものではなかったなどと反論。刑事処分ではなく、家裁移送と保護処分を求めた。
起訴状などによると、少年は21年1月4日、同区の公園で男子生徒に暴行を加え、同15日に死亡させた、とされる。事件を巡っては計7人の少年が同罪などで起訴され、同地裁はこれまで、うち4人の少年に家裁移送決定、2人の少年に不定期刑を言い渡した。