老後が近づいてくると、「そろそろ、年金の受け取りをどうしようか?」と悩むもの。一方で、若い世代だと「そもそも、年金を受け取れるのだろうか?」なんて心配な方も多いのではないでしょうか。
若い世代も、年金の受給額がゼロになる可能性は低いでしょうが、受給額が減ってしまう可能性も想定しておかなくてはなりません。今の若い世代では、未来の先行きに不安を感じている方も多いことでしょう。 そこで、上手に年金制度を活かして、年金の受給額を増やす2つの方法をご紹介しましょう。
その1:たくさん積み立てる 1つ目の方法として覚えておきたいのが、「たくさん積み立てる」という方法です。当たり前の話ですが、年金は積み立て額が多いほど、受給額を増やすことができます。 多くの方がご存じの年金制度には「国民年金」や「厚生年金」といった制度があります。とはいえ、年金受給額が不安な方は、これだけでは心許なく感じるかもしれません。そこで知っておきたいのが、「付加年金」や「確定拠出年金」といった制度です。 付加年金とは、国民年金の保険料に追加で付加保険料(月額400円)を上乗せして納めることができる年金です。金額としては大きくありませんが、長期間積み立てるほど効果が大きくなる制度です。手軽に始められるので、資料に目を通しておくとよいでしょう。 また、確定拠出年金も、最近は個人向け確定拠出年金(iDeCo)の制度が充実してきています。iDeCoとは、私的年金の制度です。自分で積み立て、自分で運用することで、上手に増やしながら年金を作ることができます。 これらの制度を、国民年金と厚生年金とあわせて使うことで、年金の受給額を増やすことができるでしょう。 それと忘れちゃいけないのが、「年金の積み立ては所得控除の対象になる!」という点です。節税もしながら貯金ができる有利な制度ですから、細々とした生活費を節約するぐらいなら、積み立て貯金をしながら年金を貯めた方がお得かもしれません。
その2:受け取りを繰り下げる 2つ目の方法として覚えておきたいのが、「受け取りを繰り下げる(=遅らせる)ことで、受給額を増やすことができる」という点です。 繰り下げ受給とは、「年金の受け取り時期を遅らせる」ことです。通常、年金は65歳から受け取り始めることができます。このとき、受け取り開始時期を遅らせることで、受給額を増やすことができます。
年金の繰り下げは、最大10年間(※昭和27年4月2日以降に生まれた人が対象。昭和27年4月1日までに生まれた人は最大5年間)まで遅らせることができます。 繰り下げ受給の反対に、「繰り上げ受給」というものがあります。繰り上げ受給では、年金の受け取り時期を早めることができます。
ただし、受け取り開始時期を早めることで、受給額は減ってしまいます。年金の繰り上げは、最大5年間まで早めることができます。 とはいえ、繰り下げによって受給額を増やそうとすると、加給年金を受け取る世帯や、短命な方などは必ずしも「お得!」とはいえない場合もあります。
年金計画は自己責任が基本ですから、制度を熟知した上で、自分の頭で考えることをオススメします。
まとめ 時間が経つのは、あっという間です。僕自身、ついこの間まで学生でしたが、四十路になるのも、五十路になるのも、きっとあっという間でしょう。 大事な老後資金。働けなくなってから後悔するのでは遅いです。計画なしに過ごしていると、痛い目に遭うでしょう。
そうならないためにも、本記事の内容を参照しながら、「上手に年金をやりくりする方法」を考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料:年金の受給額を増やす2つの方法【動画つきで解説!】(https://allabout.co.jp/gm/gc/478143/)
文:中原 良太(個人投資家・トレーダー)