トイレをおしゃれなタンクレスにするか、費用を抑えてタンクありのものを選ぶか。家づくりでは悩みどころです。2年前、地元工務店で高気密高断熱住宅を建てた日刊住まいライター。悩んだ末に1階はタンクレス、2階はありのタイプを採用することにしました。しかし実際に使ってみると、タンクの有無より、掃除のしやすさが重要なことを痛感。詳しく語ります。
筆者は妻と子ども2人(9歳と6歳)の4人家族。家づくりの際に、28社のハウスメーカーを見学。2年前に地元工務店で、2階建ての注文住宅を建てました。家づくりで悩んだのが、トイレの設備でタンクレスにするか、タンクありのものを選ぶかです。
タンクレストイレは、見た目がすっきりしている、またタンク分スペースが不要になるので、トイレが広く使える、といったメリットがあります。しかし、タンクありよりも価格が高いことも事実。見積もりをとると、5万円ほど差がありました。
また、タンクありだとタンクから出る水を手洗いとして利用できますが、タンクレスだとないので、別で手洗いを用意しないといけないといったデメリットも。

悩んだ末、1階に見た目がすっきりしているタンクレスを採用しました。理由はメインとして使用するのが1階だということ。
また、1階のトイレは来客用にも使用する可能性があるので、見た目がよいタンクレスの方がいいと思ったからです。

逆にほぼ家族しか使用しない2階のトイレは、タンクありにしました。
ちなみに1階はパナソニックのアラウーノ、2階はリクシルのベーシアシャワートイレです。

見た目はタンクレスの方がおしゃれに見えます。しかし使い慣れてくると、とりたてておしゃれだとは感じなくなりました。
スペースに関しては、確かに1階のタンクレスの方が広く感じます。やはりタンクの分のスペースがなくてすんでいるので、その分広く感じるのだと思います(わが家のトイレの広さは1階も2階も奥行き170僉横幅80僂覇韻検法
しかし、気になる点も。わが家の1階トイレ内の手洗いは、壁側にあります。このボウル部分が小さいので、気をつけて手洗いをしないと、床に水が飛び散ってしまいます。ですから手洗いについては、タンクレスの方が少し使いづらい印象です。
一方、タンクありはその点は気になりません。ただ、使用し始めると想定していなかったことが判明。小さな子どもは手が届かないのです。
1階でだれかが使用していない限り、子どもが2階のトイレを使うことはありません。夜起きたときに使う程度の頻度なので、それほど気になりませんが、これは暮らし始めてわかったことです。
検討する際には、見た目やスペースのことばかり考えていました。しかし、実際に使用してみると、トイレの設備選びの重要なポイントは、機能面や掃除のしやすさではないかなと、思うようになりました。
1階のトイレには、流したあとに泡がたまる機能があります。洗浄と次に使う人の跳ね防止効果を考えた機能です。
常に便器の中に泡があるので、小便が跳ねにくく、とてもよいと思っています。また便器部分に継ぎ目がないので、間に汚れが入り込まず掃除がしやすいです。

一方、2階のトイレは、継ぎ目があるタイプ。

掃除の際には、写真のように便座部分を持ち上げて掃除するような仕様になっています。このタイプは掃除しにくいです。また、間に手を入れて掃除しなければならないので、気持ち悪くて抵抗があります。
実際に2年間使ってみた結論。それは、タンクの有無より、便器に泡をためておく機能があって汚れにくいとか、掃除がしやすいつくりになっているかなどの方が筆者には重要だったということ。
みなさんがトイレ設備を選ぶ際の参考になれば幸いです。