任期満了に伴う神奈川県知事選(4月9日投開票)で、4回目の当選を果たした黒岩祐治氏(68才)だが、その直前にニュースキャスター時代の不倫が報じられた。体験取材を得意とする『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子が、黒岩知事の不倫について考えた。
【写真】黒岩知事が発表した謝罪文 * * *「知事」と言った途端、「やめてっ!」と叫んだのは神奈川県に住む知人のT子(51才)だ。T子とはその昔、倉庫作業のアルバイトで知り合って以来の仲だ。

きちんとした性格の彼女は「選挙当日、バタバタするのがイヤだから」と、必ず期日前投票をする。投票日の数日前に出た神奈川県知事の不倫記事を読んでいたら「絶対、彼の名前は書かなかった」と、まあ悔しがること! それだけじゃない。「彼の名前を書いた自分の右手まで汚れたような気がした」とまで言うの。「彼」とはもちろん、神奈川県知事選に当選した黒岩祐治氏(68才)のこと。茨城県出身で東京に住んでいる私でも、11年前にニュースキャスターから神奈川県知事に華麗なる転身をした彼の顔は知っている。政策を語る彼はキャスターらしく言葉にムダがない。その上、華があるし朴訥とした風貌で実のある人にも見える。なんたって座右の銘は『愚直』だもの。「その彼がよ。あんなことをしていたなんて考えられない。許せない。もう、存在そのものが気持ち悪くて生理的にダメ」と、受話器の向こうのT子は一気にまくしたてた。 T子はいまでこそ大学受験の息子に手を焼く母親だけど、「独身時代に妻子持ちとなかなか別れられなかったことがある」と思わぬ告白までしだした。「不倫は他人がとやかく言うことじゃない。文句が言えるのは妻だけ」で、黒岩氏の「A子(不倫相手)だけに本音を放出。ドッピュ~!!」など、幼稚な下ネタメールもがまんできないほどではないのだそうな。 さらにマジメ一方だと思っていたT子は、「男と女は2人だけになると人に聞かせられないようなバカなやり取りをするもんじゃない?」と鳩みたいにクククと笑う。つられて、そういえば……と、恋したあの頃を思い出した66才の私。「でも不倫後半、彼のしたことは許せない! A子さんの住まいに転がり込んで、セクシーなビデオを彼女に用意させて、動画見ながら気分を盛り上げていたって、女をなんだと思ってるのよ」 とT子、怒り出した。 動画だけじゃない。交際9年目頃から黒岩氏はキャラ変して、突然、意味なく怒り出したりし始めたそうな。 ちょっと待って。不安定になった頃の黒岩氏は55才。いくら個体差があるといっても男として微妙なお年頃ではないの。“にっちもさっちも”になったところで誰が責められよう。 と、ここからは私の個人的な感想で神奈川県知事とはまったく関係ないことだから、間違えないでほしいんだけど。 私は40代半ばに差しかかった頃からひとり暮らしに不安を覚えて婚活を始めたのよ。交際しかけた男もいる。でもことごとくうまくいかないんだわ。 私に女として魅力がないからだといったらそれまでなんだけど、それだけでもないんだよね。30代、40代前半のように男ががっついていないのよ。いつまでたっても手を出してこない。たまに手を出してきても途中からとてもむずかしくなっちゃう。要するに事がまとまらないんだわ。「そんなに私ってダメ?」と聞いたら、はっきり「ほかの女とならうまくいくんだけどな」と言われたこともある。そんなこんなですごく傷ついて、私は婚活戦線から離脱しちゃった。10年も前のことだ。 で、いまだからわかるんだけど、根本的なところで私は間違えていたのよ。まず恋愛をしたら、こうして、ああしてというイメージが20代の頃と何も変わらない。てか、ワンパターン。変えられなかったの。でも男は若い日の恋愛の手順に応えられなくなる。だからといって「ムリッ」とも言えない。ひねくれる。追い詰められる。自分を守るために暴君になる。 こういう中年以降の男の心理に、もし私が温かい目を向けていたらどうなっていたか……と最近思うんだわ。力の抜けたいい関係ができたかもしれない、なんてね。 で、話は戻るけれど、叩かれているのは黒岩氏だけじゃない。A子さんも「11年も前のことを蒸し返して」とネット上で非難されているけれど、私はそうは思わないんだわ。12年前に初めて知事選に推薦されて出馬を決めたとき、黒岩氏の興味は政治。身辺整理のため長く“愛人”でいたA子さんに対して、何年たっても忘れられないことを言ったんだと思うよ。 で、別れたもののテレビをつければふいに忘れたはずの顔が出ている。知事をしている限り何もなかったような顔をして出続けることがA子さんは許せなかったんだと思う。逆にいえば、出会ったときに40代半ばだった黒岩氏はとてもチャーミングで魅力的だったんじゃないかしら。そして、その後、黒岩氏以上の男が現れず自分史を塗り替えられなかったことがA子さんの不幸で、告白につながったと私は思うんだけどどうなんだろう。 そうそう。最近、T子は黒岩氏に薄い期待をしだしたそうな。「この雪辱を果たそうと神奈川県のために黙って働いてくれるかもね。それまで白票を投じたブーイング票の監視に耐えられるか、まあ、お手並み拝見だわ」だって。黒岩神奈川県知事、がんばって~!【プロフィール】「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。※女性セブン2023年5月4日号
* * *「知事」と言った途端、「やめてっ!」と叫んだのは神奈川県に住む知人のT子(51才)だ。T子とはその昔、倉庫作業のアルバイトで知り合って以来の仲だ。
きちんとした性格の彼女は「選挙当日、バタバタするのがイヤだから」と、必ず期日前投票をする。投票日の数日前に出た神奈川県知事の不倫記事を読んでいたら「絶対、彼の名前は書かなかった」と、まあ悔しがること!
それだけじゃない。「彼の名前を書いた自分の右手まで汚れたような気がした」とまで言うの。
「彼」とはもちろん、神奈川県知事選に当選した黒岩祐治氏(68才)のこと。茨城県出身で東京に住んでいる私でも、11年前にニュースキャスターから神奈川県知事に華麗なる転身をした彼の顔は知っている。政策を語る彼はキャスターらしく言葉にムダがない。その上、華があるし朴訥とした風貌で実のある人にも見える。なんたって座右の銘は『愚直』だもの。
「その彼がよ。あんなことをしていたなんて考えられない。許せない。もう、存在そのものが気持ち悪くて生理的にダメ」と、受話器の向こうのT子は一気にまくしたてた。
T子はいまでこそ大学受験の息子に手を焼く母親だけど、「独身時代に妻子持ちとなかなか別れられなかったことがある」と思わぬ告白までしだした。
「不倫は他人がとやかく言うことじゃない。文句が言えるのは妻だけ」で、黒岩氏の「A子(不倫相手)だけに本音を放出。ドッピュ~!!」など、幼稚な下ネタメールもがまんできないほどではないのだそうな。
さらにマジメ一方だと思っていたT子は、「男と女は2人だけになると人に聞かせられないようなバカなやり取りをするもんじゃない?」と鳩みたいにクククと笑う。つられて、そういえば……と、恋したあの頃を思い出した66才の私。
「でも不倫後半、彼のしたことは許せない! A子さんの住まいに転がり込んで、セクシーなビデオを彼女に用意させて、動画見ながら気分を盛り上げていたって、女をなんだと思ってるのよ」
とT子、怒り出した。
動画だけじゃない。交際9年目頃から黒岩氏はキャラ変して、突然、意味なく怒り出したりし始めたそうな。
ちょっと待って。不安定になった頃の黒岩氏は55才。いくら個体差があるといっても男として微妙なお年頃ではないの。“にっちもさっちも”になったところで誰が責められよう。
と、ここからは私の個人的な感想で神奈川県知事とはまったく関係ないことだから、間違えないでほしいんだけど。
私は40代半ばに差しかかった頃からひとり暮らしに不安を覚えて婚活を始めたのよ。交際しかけた男もいる。でもことごとくうまくいかないんだわ。
私に女として魅力がないからだといったらそれまでなんだけど、それだけでもないんだよね。30代、40代前半のように男ががっついていないのよ。いつまでたっても手を出してこない。たまに手を出してきても途中からとてもむずかしくなっちゃう。要するに事がまとまらないんだわ。
「そんなに私ってダメ?」と聞いたら、はっきり「ほかの女とならうまくいくんだけどな」と言われたこともある。そんなこんなですごく傷ついて、私は婚活戦線から離脱しちゃった。10年も前のことだ。
で、いまだからわかるんだけど、根本的なところで私は間違えていたのよ。まず恋愛をしたら、こうして、ああしてというイメージが20代の頃と何も変わらない。てか、ワンパターン。変えられなかったの。でも男は若い日の恋愛の手順に応えられなくなる。だからといって「ムリッ」とも言えない。ひねくれる。追い詰められる。自分を守るために暴君になる。
こういう中年以降の男の心理に、もし私が温かい目を向けていたらどうなっていたか……と最近思うんだわ。力の抜けたいい関係ができたかもしれない、なんてね。
で、話は戻るけれど、叩かれているのは黒岩氏だけじゃない。A子さんも「11年も前のことを蒸し返して」とネット上で非難されているけれど、私はそうは思わないんだわ。12年前に初めて知事選に推薦されて出馬を決めたとき、黒岩氏の興味は政治。身辺整理のため長く“愛人”でいたA子さんに対して、何年たっても忘れられないことを言ったんだと思うよ。
で、別れたもののテレビをつければふいに忘れたはずの顔が出ている。知事をしている限り何もなかったような顔をして出続けることがA子さんは許せなかったんだと思う。逆にいえば、出会ったときに40代半ばだった黒岩氏はとてもチャーミングで魅力的だったんじゃないかしら。そして、その後、黒岩氏以上の男が現れず自分史を塗り替えられなかったことがA子さんの不幸で、告白につながったと私は思うんだけどどうなんだろう。
そうそう。最近、T子は黒岩氏に薄い期待をしだしたそうな。「この雪辱を果たそうと神奈川県のために黙って働いてくれるかもね。それまで白票を投じたブーイング票の監視に耐えられるか、まあ、お手並み拝見だわ」だって。黒岩神奈川県知事、がんばって~!
【プロフィール】「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。
※女性セブン2023年5月4日号