FNNが新たに入手した1通のメールで、ビッグモーターをめぐる新たな事実が判明した。
送信されたのは、2023年の1月。当時の兼重宏行社長から、5,500人余りの社員へ向けて送られた。
「このたび、当社では自動車修理の保険金請求に対して、一部不正行為と認められる事案が発見されました」。
2023年1月の段階で、「不正が発見された」と、自ら大勢の社員に発信していた兼重前社長。
しかし、7月25日の会見では、「(2023年)6月26日月曜日に報告を受けて耳を疑った。天地神明に誓って知らなかった」と発言。
「天地神明に誓って知らなかった」とする発言とは矛盾していたのか。
不正を知っていたのか聞こうと、前社長の自宅に向かったが、応答はなく、近隣住民によると、長くこの家には人が出入りしていないという。
毎日明らかになる、ビッグモーターをめぐる不正。
ほかの中古車業者が行っている車の査定を、ビッグモーターの社員が客を装ってキャンセルしていた問題の詳細な手口について、元社員がFNNの取材に答えた。
元社員「『他社切りしろ』『他社切りしろ』というのを、ひたすらLINEで詰められる」
客からの車の査定や買い取りをめぐり、ビッグモーターで横行していたという“他者切り”とは…。
元社員「一括査定サイトで、お客さまになりすまして、登録解除をビッグモーター社員が行っていたと。そうすると、ほかの会社は(お客さんに)電話できないなと」
その手口は、車を売りたい客が、複数の業者の査定を受けられるサイトに登録。
ビッグモーターの社員は、そのサイトから客のメールアドレスや電話番号などの個人情報を入手し、客にコンタクトする。
その一方で、客になりすまし、客の個人情報を使って、査定サイトから客を退会させる。
これにより、ほかの業者は、その客にコンタクトできなくなり、ビッグモーター側は他社と価格競争を行わず、中古車を買い取ることができるという。
客と他社の関係を切る“他者切り”が、どれほど横行していたのか。
元社員は…。
元社員「相当あったと思います、ものすごい数。じゃなきゃ、ビッグモーター買い取れないですもん。たぶん、ほかの会社の方が、(査定額が)高かったりすること多いので、競合他社が多い店舗だと特に、“他社切り”をどうやってやるかだけが、買い取れるかの生命線だと。おまえ、ちゃんとやってんのかって、そんな指示出してるので、それは現場だって縮み上がる」
ビッグモーターの、異常ともいえる利益追求体質。
一方で、客に車を売る際の整備のひどさは目に余るものだったと、元社員は語る。
元社員「近隣の店舗、工場を併設している店で、納車準備・整備して運ばれてくる流れだったんですけど、当たり前に整備するとき確認すること、明らかにミラーが閉じないとか、そんな状態で納車せざるを得ない」
あまりにひどい状態の車だと、社員が自腹で部品を交換することもあったという。
元社員「自腹を切る風潮というのは、たぶん全国どこの店舗でもあったと思う。電球とかは消耗品扱いで、交換の対象にならないので、それこそ近くのオートバックスとか、イエローハットとかで交換したり」
ビッグモーターをめぐっては、中古車検索サイト「カーセンサー」が、ビッグモーターで扱っている車の情報の掲載を9日から停止するなど、波紋が広がっている。