「たくさんの犠牲者が出る可能性も」ウィズコロナ政策の“前のめり”に専門家が警鐘 第8波突入で対策のカギは?

全国で新型コロナの感染者が増え始め、第8波に入ったとみられています。今回の感染拡大は、これまで感染が少なかった県で感染者が急増するなど、従来の流行とは異なる様相も見せています。経済を止めずにコロナとどう向き合っていけば良いのか、専門家に聞きました。
上村彩子キャスター「北海道では感染者数が東京を上回って、そして山形県や長野県など、今まで感染が少なかった県でも感染していますが、これはどのように分析されますか?」
順天堂大学感染制御科学堀賢教授「一つは寒くなってきて換気が悪くなり、感染が拡大しやすくなっている。(もう一つは)ワクチン免疫に加えて第7波で感染した人がたくさんいた県というのは、それだけまだ免疫が残ってますからあまり流行していない。ワクチン免疫は実際にかかった感染とは違ってやや弱い。欧米では早めに対策をかなり緩和したので、ワクチン免疫と感染免疫の二つの免疫を持ったハイブリッド免疫を持った人がほとんど。いずれ日本もハイブリッド免疫の人の割合が増えていくとは思いますが、ウィズコロナの政策に前のめりになり過ぎると、急激にハイブリッド免疫は増えるかもしれませんが、患者も急激に増えることになるので、ハードランディングと我々が呼んでいるたくさんの犠牲者がでる可能性はある」
さらに警戒しなければならないのは、インフルエンザとの同時流行です。
順天堂大学感染制御科学堀賢教授「第8波が年内にピークを迎えるのではないかという予想も出ています。年内にコロナのピークが来て、年明けに例年通りインフルエンザのピークが来て、ピークがずれる可能性もある。ずれてくれれば医療逼迫は軽い」
上村彩子キャスター「私の周りだと、ワクチンをすでに2回や3回打っていてもそのあとにコロナに感染したので、自分は免疫が高いから大丈夫。次は打たなくてもいいんじゃないかと言っている人が多いんですが」
順天堂大学感染制御科学堀賢教授「新しい変異株になればなるほど、以前かかったときの免疫をすり抜ける。免疫逃避効果が強くなると言われている。早い人で最短で1か月ぐらいたったら、また再感染したという報告もでている。決して過信していただきたくない。重症化を防止するという意味では、大体5か月程度をあけて繰り返し打つのが推奨されるパターン」
今後は、変異株に対応したワクチンを継続的に接種するなど、コロナ対策は「ワクチン接種がカギ」だと言えそうです。