「セクシー田中さん」芦原さんの「漫画に忠実に」主張、伝わっていなかった 小学館が明記せず現場誤認

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日本テレビは31日、昨年10月期放送の同局ドラマ「セクシー田中さん」原作者で漫画家の芦原妃名子さん(享年50)が急死した問題について、「社内特別調査チーム」による調査結果を報告した。報告書によると、芦原さんが生前にブログに記載していた「必ず漫画に忠実に」とする主張は、現場に伝わっていなかったことが明らかとなった。
調査報告書によると、ドラマ化は昨年2月末に小学館に打診された。ドラマを企画した日テレ制作関係者は、「小学館から未完部分はドラマオリジナルのエンドでいい」という認識だったが、小学館は「未完部分は原作に影響を与えないよう、原作者が提案するものをベースにしたドラマオリジナルエンドでよい」という趣旨で話していたと、最初の時点で双方に食い違いがあったことが判明した。
また小学館側の関係者は「ドラマ化するならば原作を大事にしてくれる脚本家の方でないと難しい」と伝えたと明かすも、制作側は聞いていないと主張。だが、制作側は「原作者の意見を無視するような改変はしない、リスペクトを持って取り組む」との姿勢を示していた。
芦原さんは生前、ブログに「『セクシー田中さん』は連載中で未完のため、(1)必ず漫画に忠実に(2)未完の漫画の今後に影響を及ぼさないよう“原作者があらすじからセリフまで”用意する(3)原作者が用意したものは原則変更しないでいただきたいので、ドラマオリジナル部分については、原作者が用意したものを、そのまま脚本化していただける方を想定していただく必要や、場合によっては、原作者が脚本を執筆する可能性もある」という3つの条件を、小学館を通じて日本テレビに出していたと投稿した。
だが、3月9日、及び同年3月29日の打ち合わせの際には、このブログにあるような「必ず漫画に忠実に」「漫画が完結していない以上、ドラマなりの結末を設定しなければならないドラマオリジナルの終盤も、まだまだ未完の漫画のこれからに影響を及ぼさないよう、“原作者があらすじからセリフまで用意する…”という条件は小学館からは口頭あるいは文書で提示されていなかったことが、調査の結果で判明した。
ドラマ化にあたって「必ず原作に忠実に」「終盤は本件原作者が脚本を書くこともあり得る」という条件については、制作のコアメンバー側は、そのような条件が小学館から出されているという認識がなかったため、この意向は脚本家にも伝えられていなかった。
その結果として、やり取りを重ねる中で原作者は制作サイドへの不信感を募らせていった。
同局の石澤社長は「この調査報告から、ドラマ制作側と原作側のお互いの認識の違い、そこから生じているミスコミュニケーション、ドラマの制作スケジュールや制作体制、契約書の締結時期など、今後、日本テレビとしてこれまで以上に厳しく取り組まなければならない点が見つかりました」と猛省。「日本テレビは、指摘された課題について、テレビドラマに関わるすべての方が、より安心して制作に臨めるよう、責任を持って取り組んで参ります」とした。

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