能登半島地震による土砂崩れで妻と子ども3人を亡くした石川県警の警察官、大間圭介さん(43)が1日、現場となった珠洲市仁江町の妻はる香さん(当時38歳)の実家の前で静かに手を合わせた。
「本当に楽しい思い出がいっぱいだった」と振り返りながら、「今年も頑張るね」と思いを伝えた。
大間さんは、はる香さんの実家で過ごしていた2年前、大きな揺れに見舞われた後、はる香さんと長女の優香さん(当時11歳)、長男の泰介君(当時9歳)、次男の湊介ちゃん(当時3歳)と義父母ら計9人を失った。大間さんは勤務していた珠洲署に向かうため外に出て一人助かった。
この日、大間さんはユリやバラの花束と子どもたちが好きだったポテトチップやせんべいを持参し、家の前に供えた。その後、こらえていた思いがあふれ、涙が止まらなかった。
地震で隆起した海岸線の景色は変わったが、ザーザー、ゴーゴーという聞き慣れた波の音は、あの日と同じ。「気温や天候が似ていて。苦しさやつらさが思い出された」。それでも、がれきの中に子どもたちが使っていたコップを見つけると、懐かしさもよみがえった。
大間さんは昨年、「子ども食堂」のボランティアを始め、好きだった野球の大会にも仲間と一緒に出場した。家族との大切な思い出を胸に、前を向こうとしている。
「これからは自分だけの人生じゃなく、人のためにも歩んでいきたい」
(金沢支局 宮崎乃亜)