〈米オートバイ「ハーレーダビッドソン」の国内正規ディーラーがわずか1年のうちに1割閉業していた「HDJの“暴走”に苦しんでいます…」〉から続く
世界的な人気を誇るアメリカのオートバイメーカー「ハーレーダビッドソン」の日本法人、ハーレーダビッドソンジャパン(HDJ)が、ディーラーの元オーナーと総額4500万円の資金返還をめぐり、トラブルになっていることが「週刊文春」の取材でわかった。
【画像】「4500万円が返ってこない」顔出し・実名で告発した西本氏
ハーレーダビッドソンの国内ディーラーは全てHDJと正規契約を結んだ別会社だ。今、そんなHDJの全国のディーラー経営者から悲痛な声が次々と上がっている。
公式サイトより
「週刊文春電子版」はこれまで2度にわたり、HDJとディーラーの間で起きている数々のトラブルを報じてきた。過剰なノルマを達成するためにディーラーが車輛を自ら買い取る自爆営業が横行していること、経営難から全体の1割に当たる店舗が閉業という選択をしたこと……。編集部には次々と情報が寄せられている。
そんな中で新たに発覚したのが、元ディーラーオーナーとの間で起きた金銭トラブルだ。
小誌の取材に実名・顔出しで告発するのは、1998年から2019年まで約20年間にわたって「ハーレーダビッドソン福岡」のオーナーを務めた西本光春氏(67)だ。
ハーレーライダーのコミュニティー「ハーレーオーナーズグループ福岡チャプター」の運営に注力して地道に顧客を増やし、幾度となく売上上位のディーラーに選出されてきた西本氏。ディーラーのオーナーから退いた現在は、経営権はないものの「会長」という肩書きでハーレーダビッドソン福岡に残っている。震災地のボランティア支援や児童虐待防止を呼び掛けるイベント運営など社会活動にも力を入れており、地元紙で取り上げられたこともある。
そんな“ハーレー界隈の有名人”とHDJの間で起きた金銭トラブルとは何なのか。
西本氏が語る。
「私は、あの会社に約4500万円を貸して、20年以上返ってきていないのです」
西本氏は1998年以来、同社と返済計画について話し合ってきたが、結局、有耶無耶にされてしまったと主張する。
「ようやく返済計画がまとまろうとしていた時に、話し合いをしていた社員も退職してしまい、返済計画はいつの間にか立ち消えになってしまった」
2020年に就任した野田一夫社長にも問い合わせたと言うが、
「この件について問い合わせても、連絡に出ないんです。もう一切応対せず、なし崩し的に逃げ切るつもりなのかもしれません。このまま返金に応じないようであれば、訴訟を起こすことも検討しています」
HDJに西本氏との金銭トラブルについて質問状を送ったが、期限までに回答はなかった。
現在配信中の「週刊文春電子版」では、西本氏が実名・顔出しで告発する“4500万円返金トラブル”について詳報する。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル)