大阪府泉南市の添田詩織市議(33)の“過激発言”に端を発する騒動が、メディアやネットを巻き込んで論争を呼んでいる。地元では「タトゥーの入った凄腕DJ」としても知られる“美人すぎる市議”は、果たして「国防女子」か「ヘイター(差別主義者)」か――。
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【写真】意外なツーショット続々! 美人市議の驚き「交友録」 事の発端は今年7月、泉南市議会の定例会で市が採用している国際交流員について、添田氏が「中国籍の方が就くのは大丈夫なのか。ありえへん、怖いという声をいただいている」と発言したことだった。
国際交流員とは、市役所内での通訳業務や市内の小中学校で異文化交流の授業などを受け持つ任期付き職員のこと。泉南市では4名の国際交流員のうち1名が中国出身者という。言動が賛否を巻き起こす「大阪でいま一番有名」な女性市議(本人の公式HPより) 添田氏は同じ質疑のなかで、自国民や企業に諜報活動への協力を課す中国の国家情報法にも触れ、「中国籍の方は中国政府から依頼されたらスパイ行為をしなければならない」と指摘。しかし市議会は「中国人に対する差別的な発言に当たる」として同26日、添田氏に謝罪と反省を求める決議を全会一致で可決した。「これに添田氏が猛反発。9月に入って“決議は不当で名誉棄損に当たる”と主張して、決議内容を掲載した議会広報誌の配布差し止めを求める仮処分を大阪地裁に申し立てたのです。9月26日、地裁は掲載や配布は公益目的に資し、“市議を人格的に貶めるものではない”として請求を却下する決定をくだしました」(泉南市議) それに先立つ同7日、作家の百田尚樹氏が自身のユーチューブで「泉南市議会、終わってますよね」などと添田氏を擁護すると、ネット上では彼女を支持する声と批判が飛び交う状況に。この間、市議会事務局や主要政党の事務所などに「200件以上の電話が掛かってきて、一時は業務がパンクするほどだった。大半が議会の添田氏への仕打ちに抗議する内容だったが、大阪府外からの電話がほとんどでした」(市議会関係者)という。「湘南乃風」バックダンサーの過去 議会とのバトルの最中にも、添田氏は新たな“爆弾”を投下――。現職の玉城デニー氏が再選した9月11日投開票の沖縄知事選をめぐり、選挙期間中の8月29日、〈沖縄を中国の属国にしたいデニー候補。ウイグル・モンゴル・チベットのように日本民族も強制収容所に入れられ民族浄化(虐殺)されます〉と自身のツイッターに投稿したのだ。「これが“ヘイトスピーチ”や“ヘイトクライムを誘発する”ものだとして9月22日、市民団体代表らが添田氏を公職選挙法違反(虚偽事項の公表)で泉南署に告発状を提出し、受理されています。この告発について、お笑い芸人のほんこんさんが自身のYouTubeチャンネルで“告発者がデニー氏本人でない”ことを指して疑問を投げかけ、ネット上でも添田氏を援護する言説が広がった。一方、地元では“政治家の言葉として相応しくない”といった声を多く聞きます」(在阪テレビ局記者) 発言がカゲキなら、経歴も政治家としては異色だ。添田氏は関西大学卒業後、外資系商社に就職。24歳の時に飲食店経営に乗り出す傍ら、DJ活動も本格的に始めたとされる。学生時代はレゲエグループ「湘南乃風」などのバックダンサーを務め、身体にタトゥーが入っていることも公言。父親は大阪府警の元刑事である。 20年の市議選で初当選後は「ウイグルを応援する全国地方議員の会」代表理事や「靖国神社崇敬奉賛会青年部」関西支部理事などを務める。2年前の選挙の際、添田氏は大阪維新の会からの出馬を希望したが破談。現在、無所属ながら自民党籍を有している。「これから名誉棄損で訴えます」「市議当選後もDJは続けていて、昨年には女性DJランキングで17位を獲得。議会に白のジャガーで登庁するなど“型破りな市議”として、地元では何かと目を惹く存在です。ネトウヨと呼ばれる層に熱狂的なファンがいて、彼女が際どい発言をするたびに地元を飛び越え、全国的な騒動のタネとなるため、議会側も対応に苦慮している」(前出・泉南市議) 添田氏に取材を申し込むと、文書でこう回答した。 まず、議会広報誌の配布差し止めを求めた請求が退けられた件について、「(裁判所の決定理由は)決議内容を掲載して市民に全戸配布することは更なる名誉権の低下による人格権侵害であることを認め」たものの、今回は添田氏が自身のSNSで決議内容を公開していることなどから「著しく重大な人格権侵害があるとまではいえない」と判断されたと説明。 そのうえで「違法な議会手続きの上に可決された決議である」ことに変わりなく、「正義を証明する必要があると感じております。今後は名誉棄損で損害賠償請求をしてまいります」と改めて議会に“宣戦布告”した。愛車は「白のジャガー」 告発状が受理された玉城デニー氏に対する投稿については、「捜査機関は告訴・告発を受けた場合は、原則としてこれを受理する義務を負う。(中略)捜査機関は義務を果たしたのみです」 と述べ、続けて「デニー氏は『玉城デニーと共に日本政府からアメリカから沖縄を取り戻す!』と宣言」しており、また「フランスの軍事研究機関はデニー氏は中国共産党から支援を受けており、要注意人物だと報告書で記している」と主張。 告発者についても「反基地活動、沖縄の独立運動、共産党と共にアイヌ利権促進運動などを主導している」人物だとして、告発の正当性そのものに疑義を呈した。 また愛車が白のジャガーである点については「24歳の飲食店経営時から乗っています」と回答した。 発言のたびに「愛国論争」を巻き起こすことから“タイフーン女子”とも呼ばれる添田氏。彼女の“次なる一手”に周囲は戦々恐々、固唾を飲んで見守っている。デイリー新潮編集部
事の発端は今年7月、泉南市議会の定例会で市が採用している国際交流員について、添田氏が「中国籍の方が就くのは大丈夫なのか。ありえへん、怖いという声をいただいている」と発言したことだった。
国際交流員とは、市役所内での通訳業務や市内の小中学校で異文化交流の授業などを受け持つ任期付き職員のこと。泉南市では4名の国際交流員のうち1名が中国出身者という。
添田氏は同じ質疑のなかで、自国民や企業に諜報活動への協力を課す中国の国家情報法にも触れ、「中国籍の方は中国政府から依頼されたらスパイ行為をしなければならない」と指摘。しかし市議会は「中国人に対する差別的な発言に当たる」として同26日、添田氏に謝罪と反省を求める決議を全会一致で可決した。
「これに添田氏が猛反発。9月に入って“決議は不当で名誉棄損に当たる”と主張して、決議内容を掲載した議会広報誌の配布差し止めを求める仮処分を大阪地裁に申し立てたのです。9月26日、地裁は掲載や配布は公益目的に資し、“市議を人格的に貶めるものではない”として請求を却下する決定をくだしました」(泉南市議)
それに先立つ同7日、作家の百田尚樹氏が自身のユーチューブで「泉南市議会、終わってますよね」などと添田氏を擁護すると、ネット上では彼女を支持する声と批判が飛び交う状況に。この間、市議会事務局や主要政党の事務所などに「200件以上の電話が掛かってきて、一時は業務がパンクするほどだった。大半が議会の添田氏への仕打ちに抗議する内容だったが、大阪府外からの電話がほとんどでした」(市議会関係者)という。
議会とのバトルの最中にも、添田氏は新たな“爆弾”を投下――。現職の玉城デニー氏が再選した9月11日投開票の沖縄知事選をめぐり、選挙期間中の8月29日、〈沖縄を中国の属国にしたいデニー候補。ウイグル・モンゴル・チベットのように日本民族も強制収容所に入れられ民族浄化(虐殺)されます〉と自身のツイッターに投稿したのだ。
「これが“ヘイトスピーチ”や“ヘイトクライムを誘発する”ものだとして9月22日、市民団体代表らが添田氏を公職選挙法違反(虚偽事項の公表)で泉南署に告発状を提出し、受理されています。この告発について、お笑い芸人のほんこんさんが自身のYouTubeチャンネルで“告発者がデニー氏本人でない”ことを指して疑問を投げかけ、ネット上でも添田氏を援護する言説が広がった。一方、地元では“政治家の言葉として相応しくない”といった声を多く聞きます」(在阪テレビ局記者)
発言がカゲキなら、経歴も政治家としては異色だ。添田氏は関西大学卒業後、外資系商社に就職。24歳の時に飲食店経営に乗り出す傍ら、DJ活動も本格的に始めたとされる。学生時代はレゲエグループ「湘南乃風」などのバックダンサーを務め、身体にタトゥーが入っていることも公言。父親は大阪府警の元刑事である。
20年の市議選で初当選後は「ウイグルを応援する全国地方議員の会」代表理事や「靖国神社崇敬奉賛会青年部」関西支部理事などを務める。2年前の選挙の際、添田氏は大阪維新の会からの出馬を希望したが破談。現在、無所属ながら自民党籍を有している。
「市議当選後もDJは続けていて、昨年には女性DJランキングで17位を獲得。議会に白のジャガーで登庁するなど“型破りな市議”として、地元では何かと目を惹く存在です。ネトウヨと呼ばれる層に熱狂的なファンがいて、彼女が際どい発言をするたびに地元を飛び越え、全国的な騒動のタネとなるため、議会側も対応に苦慮している」(前出・泉南市議)
添田氏に取材を申し込むと、文書でこう回答した。
まず、議会広報誌の配布差し止めを求めた請求が退けられた件について、
「(裁判所の決定理由は)決議内容を掲載して市民に全戸配布することは更なる名誉権の低下による人格権侵害であることを認め」たものの、今回は添田氏が自身のSNSで決議内容を公開していることなどから「著しく重大な人格権侵害があるとまではいえない」と判断されたと説明。
そのうえで「違法な議会手続きの上に可決された決議である」ことに変わりなく、「正義を証明する必要があると感じております。今後は名誉棄損で損害賠償請求をしてまいります」と改めて議会に“宣戦布告”した。
告発状が受理された玉城デニー氏に対する投稿については、
「捜査機関は告訴・告発を受けた場合は、原則としてこれを受理する義務を負う。(中略)捜査機関は義務を果たしたのみです」
と述べ、続けて「デニー氏は『玉城デニーと共に日本政府からアメリカから沖縄を取り戻す!』と宣言」しており、また「フランスの軍事研究機関はデニー氏は中国共産党から支援を受けており、要注意人物だと報告書で記している」と主張。
告発者についても「反基地活動、沖縄の独立運動、共産党と共にアイヌ利権促進運動などを主導している」人物だとして、告発の正当性そのものに疑義を呈した。
また愛車が白のジャガーである点については「24歳の飲食店経営時から乗っています」と回答した。
発言のたびに「愛国論争」を巻き起こすことから“タイフーン女子”とも呼ばれる添田氏。彼女の“次なる一手”に周囲は戦々恐々、固唾を飲んで見守っている。
デイリー新潮編集部