頭部のない男性の遺体が見つかってからおよそ3週間で事件は急転直下。
容疑者の親子2人の逮捕に至りました。
世間を震撼させた猟奇的な事件をふりかえります。
「今月2日(日)札幌・すすきの」
まだ陽も高いうちから、物々しい雰囲気に包まれた歓楽街・すすきの。
ホテルの2階客室から男性の遺体が見つかりました。
(森永記者)「現場にブルーシートがかけられました。白い防護服を着た捜査員の姿も見られます」
車へと乗せられた遺体は、恵庭市の62歳男性と判明。
首は刃物のようなもので切られ、頭部はいまだ発見されていないという異様な展開を見せます。
現場は繁華街の一角でホテルなどが立ち並ぶエリア。
男性は部屋の浴室で殺害されたとみられています。
死因は出血性ショックで、体には致命傷とみられる刺し傷がありましたが、身を守る際にできる防御創はなかったということです。
また、関係者によりますとベッドのシーツ類は整えられたままで、部屋は浴室以外に使われた形跡がほぼなかったといいます。
世間を震撼させた猟奇的で残忍な事件。
殺害された男性には同行した人物がいたことが分かっています。
(百瀬記者)「2人はこのあたりで落ち合ったのを防犯カメラが捉えていて、その後ホテルに向かったものとみられます」
捜査関係者によりますと、今月1日午後10時半ごろに2人は合流し、ホテルに一緒に向かって入室。
その後、翌日2日の午前2時ごろにはフロントに女性とみられる声で、
「1人で先に出る」という趣旨の電話があり、その人物は西方向へと向かったとみられています。
「服装を変える」
関係者などによりますと、この人物はホテルの入室時は大型の黒いスーツケースを持って白っぽい服を着ていましたが、
退室時にはリュックサックを背負いその上から黒っぽい服を羽織るなど、服装を変えていたということです。
この人物が、被害男性の知人だった田村瑠奈容疑者29歳とみられています。
また、父親の田村修容疑者59歳は瑠奈容疑者を車で送迎した可能性も含めて捜査を進めているということです。
親子の逮捕について近所の人は驚きを隠せません。
(近所の人)「けさ家にブルーシートがはられて、みんな何だろうねと言っていた」
家族について知る人は、瑠奈容疑者の姿を2年前から見ていないと話します。
(近所の人)「小学校から不登校で中学校も行けなくて、1人で住んでいるのかと自立できるのかと思っていた」
一方、父親の修容疑者についてはー
(近所の人)「まじめそうだし、言葉が柔らかい。物腰柔らかく(犯罪の)お手伝いをするタイプではない」
札幌市内の病院に精神科医として勤務していた修容疑者。
動画サイトでは、こころの健康についてこのように語っていました。
(動画サイト)「どうしていいかわからないときは、どうすればもっと悪くなるか考え、それだけは決してしないように」
不登校気味だったという娘と精神科医の父親。
2人はいったいどのような動機から犯行に及んだのかー
道警は、瑠奈容疑者がホテル内で男性を殺害した殺人の容疑も視野に慎重に捜査するとともに、
父親の修容疑者の共犯性についても調べています。