H3ロケット初号機、打ち上げ失敗 2段目エンジン着火せず指令破壊

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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日、新型主力機H3ロケット初号機を種子島宇宙センター(鹿児島県)から発射したが、2段目のエンジンが着火せず、発射から約14分後に指令破壊した。搭載した地球観測衛星「だいち3号」を予定の軌道に打ち上げられず、発射は失敗した。
【写真特集】H3ロケット初号機、発射されたが… JAXAは2022年10月の小型主力機イプシロンロケット6号機にも失敗している。相次ぐ失敗で日本の宇宙開発への影響は不可避で、大きな痛手となる。

指令破壊は、機体が思わぬ場所に墜落して被害を及ぼさないよう、地上から指示を出して爆破する操作。機体はフィリピン東方沖の海上に落下したとみられ、被害は確認されていない。 初号機は2月17日にも電源系統の誤作動で発射を直前に中止。JAXAは異常を解消できたとして、予備期間である3月10日までに発射を間に合わせていた。 JAXAと文部科学省は7日、対策本部を設置して原因究明を始めた。記者会見したJAXAの山川宏理事長は「関係者や国民の皆様に深くおわびする。失敗が続いていることを重く受け止めている」と陳謝した。永岡桂子文科相は「早急に原因を究明し、全力でスピード感をもち対応する」との談話を出した。 H3は01年から運用する現在の主力機H2Aロケットの後継機で、1994年にデビューしたH2ロケット以来、29年ぶりに国産主力機を新規開発した。今後20年間の日本の宇宙輸送の中心を担う。 当初は20年度の初号機発射を予定していたが、新型主エンジンのタービンの動翼にひびが入るなどの不具合で2回延期されている。 全長約63メートル(初号機は約57メートル)、直径約5・2メートルで、H2Aより一回り大きく、衛星打ち上げ能力を1・3倍に高めた。開発や部品の低コスト化を図り、1回の発射費用を最小形態でH2Aの半額の約50億円に下げることを目指す。 だいち3号は可視光などで地表を観測する最新の光学衛星。解像度は11年に運用を終えた初代だいちの3倍以上あり、災害の監視や地図情報の取得などを担う予定だった。【垂水友里香】
JAXAは2022年10月の小型主力機イプシロンロケット6号機にも失敗している。相次ぐ失敗で日本の宇宙開発への影響は不可避で、大きな痛手となる。
指令破壊は、機体が思わぬ場所に墜落して被害を及ぼさないよう、地上から指示を出して爆破する操作。機体はフィリピン東方沖の海上に落下したとみられ、被害は確認されていない。
初号機は2月17日にも電源系統の誤作動で発射を直前に中止。JAXAは異常を解消できたとして、予備期間である3月10日までに発射を間に合わせていた。
JAXAと文部科学省は7日、対策本部を設置して原因究明を始めた。記者会見したJAXAの山川宏理事長は「関係者や国民の皆様に深くおわびする。失敗が続いていることを重く受け止めている」と陳謝した。永岡桂子文科相は「早急に原因を究明し、全力でスピード感をもち対応する」との談話を出した。
H3は01年から運用する現在の主力機H2Aロケットの後継機で、1994年にデビューしたH2ロケット以来、29年ぶりに国産主力機を新規開発した。今後20年間の日本の宇宙輸送の中心を担う。
当初は20年度の初号機発射を予定していたが、新型主エンジンのタービンの動翼にひびが入るなどの不具合で2回延期されている。
全長約63メートル(初号機は約57メートル)、直径約5・2メートルで、H2Aより一回り大きく、衛星打ち上げ能力を1・3倍に高めた。開発や部品の低コスト化を図り、1回の発射費用を最小形態でH2Aの半額の約50億円に下げることを目指す。
だいち3号は可視光などで地表を観測する最新の光学衛星。解像度は11年に運用を終えた初代だいちの3倍以上あり、災害の監視や地図情報の取得などを担う予定だった。【垂水友里香】

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