LINEやInstagramなど、SNSの世代間ギャップについてです。最近では、若い世代の人たちが、句点の「。」に威圧感を感じるという「マルハラスメント」が話題になっていましたよね【画像①】。
【写真を見る】これが今の時代の正解?「怖い絵文字」「圧を感じる文章」を例示!
今回は、30歳以下の「Z世代」「α世代」と呼ばれる若者と、上の世代のギャップについて街で調査しました。
今や幅広い世代で使われている、コミュニケーションツール「LINE」。まずは、若者が感じているギャップについて聞いてみました。
(高校生)「親と家でタメ語で話すじゃないですか、敬語とかじゃない。それが…LINEではやたらと『何々してください』みたいな。やたらと命令口調で送ってくる【画像③】」
「威圧感があって怖いなあ」(専門学校生)「長文で来る」ーどれぐらいを超えたら長文?「3行。圧を感じる」
父親や母親から送られてくる、愛情たっぷりのこんなメッセージ【画像⑤】。「重い」「読みづらい」と感じることも…。若者は短く返事をしがちです。
(高校生)「自分たちは、短文ポンポンポンポンて【画像⑥】」
『「そういえばさ」 「もっちゅりん」 「たべたい」 「なー」とか』ー私は普通に5行とか10行とかで送ってるけど(30代記者)(高校生)「…ガチかー」
(高校生)「略すと伝わらないことがめっちゃある。『とりまなるはやで』って言ったら『どういう意味?』って【画像⑧】」
「とりあえず、まぁなるべく早くお願いというのを『とりまなるはやで』」
では上の世代は、どのように感じているのでしょうか。ーLINEをしていて、若者とギャップを感じることは?(40代)「あんまりギャップは感じない」(30代)「もうあんまり気にしていない」(50代)「上の世代ほど長い、メッセージが。下ほど短い。自分はそこまで長くない」
若者との違いを感じない、気にしていない、という人も多かった一方で…。(60代女性)「真似して、若い人の意見を取り入れて。『了解』は、前は『りょ』って言ってたでしょ【画像⑩】」
「今は『り』でいいんだよ、とか教えてもらったりしています。頑張って、世代間ギャップを感じないように、努力しています【画像⑪】」
・長文は「重い」・「赤いビックリマーク【画像⑫】」は「ダサい」などの若者の意見をメディアなどで知り、気を付けているという人も多くいました。なんとも興味深いこのギャップ…。
若者文化を研究し、「Z世代」についての著書で知られる芝浦工業大学の原田教授は、この現象は「当然」のものだと語ります。(芝浦工業大学 原田曜平教授【画像⑬】)「早い子で、小学生ぐらい。平均すると中学生からZ世代はスマホを持ち始める」「LINEにせよ、SNS上のお作法は、彼らの方が小さい時から気を遣って生きてきているので」「逆に上の世代からすれば、電話の出方やメールの書き方とか『これは失礼だよ』というお作法が、彼らの方がSNSネイティブであるがゆえにたくさんある。どうしてもこういうギャップは生まれる」
団塊世代からの世代分け。その時々の世相に合わせて名づけられていますが、近年話題になる「Z世代」は1995年~2010年生まれの14才~30才。それより下は「α世代」と呼ばれています(【画像⑭】に解説)。
上の世代にとっては、ガラケーの「メール」の延長が「LINE」ですが、彼らは「メール」をほとんど経験していません。それが、文章量や絵文字など様々なギャップにつながっているのです。
ー自分たちは使わない…こんな絵文字を大人は使ってくるとかありますか?(高校生)「太陽のマーク【画像⑯】」「夜景の写真みたいな【画像⑰】」
ー(記者が好んで使う)ヒヨコ【画像⑱】とかは使ったりしない?「使わないです」
(芝浦工業大学 原田曜平教授)「今の子たちはすごく繊細ですよね。同じ笑顔マークでもこの笑顔マークは自分の世代で使うけど、上の世代は違うマーク使うとか」
「僕も学生に言われた。この絵文字は、逆にプレッシャーになると」
恐い絵文字もあるといいます。それがこちら【画像】。目が開いているのを、「怖い」と感じるそうです。ちなみに、こちらは、30代~40代半ばのミレニアル世代を中心に幅広く使われています。
(芝浦工業大学 原田曜平教授)「そこを微妙に間違うと、“おじさん構文”とインターネット上でいじられる」一方で…。(18歳)「相手が喋りやすいように返しやすいように」ー文字の量とか?「量も考えています。毎回文が短い人だったら、短く返しています」
リアルな会話に近いからこそ、絵文字や文章の量など、相手に合わせて対応をしているという声も多く聞かれました【画像】。これも彼らのひとつの「作法」のようです。
「世代間ギャップ」は、LINEに留まりません。
(芝浦工業大学 原田曜平教授)「今、実は30代~50代でもインスタ利用率が4割~5割ぐらいになっている」
写真や動画を共有する、Instagramにも。(高校生)「親の世代は、インスタは載せたいように載せるけど…」
若者は、「加工をすることがほとんど」だといいます。なんと最近は…。ーせっかくの写真なのにモザイクをかけるの?(高校生)「無加工を避けたいのとモザイクが可愛い」【画像】
(高校生)「ストーリーは、おしゃれを目指すんですけど、上の世代は『食べたものを上げたり感想を書く』みたいな。『おいしかった』みたいな」
見せていただくと。ー結構シンプル。ドーンって感じじゃなくて、さりげない感じ。これ何、足元撮っている?【画像】(高校生)「自分のファッションを…」ーファッションを見せるのに正面じゃない?(高校生)「そこがポイントっすね」
世代間ギャップを埋めるべく努力するもよし。おもしろがるのもよし。ギャップをきっかけに、幅広い世代で会話を楽しむのもよいかもしれません。
【スタジオ補足】ちなみに、LINEには「既読」という機能がありますが、Z世代以下は、文章をみるとき、ではなく返信をするときに「既読」をつけるという習慣が…。そこには「返信を忘れない」「相手に心配させない」などの理由があるそうです。今回お伝えした傾向が正しい、誤っているということではありません。捉え方は人によってそれぞれです。時代や世代によって捉え方が変化したり、また戻ったり‥それがおもしろいですね。