田久保伊東市長が引きずり下ろされるまでに支払われる給与を試算してみた 12月まで粘れば「冬のボーナス185万円&退職金270万円」ゲット

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どのみち“詰んでいる”と言われている静岡県伊東市の田久保眞紀市長は、なぜここまで粘るのか。議会・役所関係者からは「カネ目当て」を疑う声がよく聞かれるが、この先、田久保氏にどのくらいの給与が支払われるかを試算してみた。
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議会に全会一致で不信任決議を可決された田久保氏は、解散に打って出ると言われている。市議会選挙はいつになりそうなのか。
「地方自治法では議会を解散後、40日以内に選挙を行うと定められています。田久保氏は周囲に9月10日に市議会を解散し、10月19日の日曜日に市議選を行う予定と話しています」(伊東市関係者)
市議選が終われば、新たな議会で再び不信任決議案が提出される。そこで再度可決されることでようやく失職となるが、可決するには「3分の2以上の出席」と「過半数の賛成」が必要。田久保氏がそれを阻止するためには、19人の市議のうち7人以上を「市長派」に塗り替えなければならない。7人は過半数ではないが、全員が欠席すれば出席条件の3分の2がクリアされないからだ。
だが、市長派は7人どころか1人当選するのも厳しいと見られている。
「田久保氏に近い議員が2人出馬の準備を進めていると聞いていますが、それに加えられたとしても4~5人擁立するのが限界でしょう。田久保氏を支持する市民はせいぜい1000人くらいと言われており、前回の最低当選ラインは700票くらいです」(同)
これまでは共産党の重岡秀子市議が議会唯一の“市長派”と言われてきたが、
「日本共産党静岡県委員会と同伊豆地区委員会は8月29日、『田久保氏は辞任すべき』との声明を出しました。それに従い、重岡氏はもう田久保氏寄りの姿勢を見せなくなり、今回の不信任決議でも賛成に回っています」(同)
このように議会を解散して時間を稼ごうが、不信任案は再可決され失職するのは必至なのだ。現状、田久保氏が市長を続けるには、失職後の出直し選挙で”神風”に期待するしかない。
問題は不信任決議案の再提出がいつ行われるかである。青木敬博副議長は「12月になってしまうかもしれない」と話す。なぜ市議選は10月中に終わるのに、それから1カ月以上も待たなければならないのか。
「我々としては一刻も早く進めたい一心なのですが、田久保市長はこれまで同様のらりくらり引き伸ばし戦術を取る可能性が高い。最悪、12月1日から始まる定例会を待たなければならなくなる」(青木氏)
この1カ月間は伊東市民にとっては重要だ。12月を1日でも過ぎれば、田久保氏に期末手当が満額支給されるからである。
「特別職の期末手当は6月と12月に支払うと条例により定められています。12月分は、12月1日を基準日として、給料月額及びその給料月額に100分の45を乗じて得た額の合計額に、100分の150を乗じて得た額を、在職期間に応じた割合で支払う規定です」(伊東市職員課)
市長の月額給与は85万5000円。上記の計算式で算出される12月期末手当の満額は185万9625円。市長が就任したのは5月29日なので、12月1日まで在職していれば「6カ月の満額条件」を達成する。ちなみに11月中の失職となっても、8がけ分の148万7700円が支払われる。
粘れば粘るほど退職金も上増ししていく。
「退職金は月額給与の100分の45かける在職月数となっております。月はじめに1日だけ在職していたとしても、1カ月分と算定されます」(同)
12月1日失職だと在職月数は7カ月となり269万3250円。11月中の失職だと230万8500円。
たった1日の違いで期末手当と退職金を合わせると約80万円も増えるのである。当然、居座った分だけ月額給与も支払われていく。12月まで粘ると仮定すると、これから総額で700万円以上のカネが田久保氏に支払われる計算になる。
これに加え、「無駄な支出」には大義なき市議選にかかる費用の4500万円も加わる。
“無敵の人”を選んでしまった代償はあまりにも大きい。
デイリー新潮編集部

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