妊婦はねられ死亡“胎児も被害者と認めて”父の訴え「声を上げなかったら…このまま終わった」検察が一転脳障害の女児の被害を立件可能か追加捜査へ【news23】

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今年5月、妊娠9か月の女性が車にはねられ亡くなりました。事故直後、帝王切開で生まれた赤ちゃんには重い障害が残っています。一方、2日に始まった初公判で、被害者とされたのは母親1人。遺族は「子どもも被害者だ」と強く求めています。
【写真で見る】「娘を被害者として認めて欲しい」父の訴え
研谷友太さん「事故によって母の命を奪われ、重度の障害を負って生まれた娘・日七未が被害者として扱われない現状は、到底受け入れられるものではありません」
2日、妻と長女の写真を掲げ、記者会見でこう訴えた研谷友太さん。
妻の沙也香さんは2025年5月、交通事故で命を奪われました。事故が起きたのは、愛知県一宮の住宅街。乗用車が対向車線を超えて路側帯にはみだし、歩いていた沙也香さんを後ろからはねたのです。
この事故を目撃した人は…
事故の目撃者「(沙也香さんに)呼びかけてみたんですけど、反応なくて。手は、お腹の辺りにあった気がします。多分、お腹をかばったのかな」
当時、沙也香さんは妊娠9か月。事故直後に帝王切開で生まれた日七未ちゃんは、事故で酸素が行き届かない時間が続いたことから、脳に重い障害が残り意識がない状態が続いています。
研谷友太さん「妻が一度も子どもを抱けずに逝ってしまったのは、本当に無念ですし、成長を見たかっただろうなとも思います」
2日、名古屋地裁一宮支部で開かれた初公判。事故を起こし、過失運転致死の罪で起訴された児野尚子被告は。
児野尚子被告(50)「研谷さんの尊い命を奪ってしまいました。事故の責任は全て私にあります」
起訴内容を認めました。ただ、起訴内容の「被害者」は沙也香さんただ一人。日七未ちゃんの名前はありません。
刑法では、胎児は母体の一部とされ「人」とみなされていないからです。
友太さんは「娘を被害者として認めて欲しい」とオンラインで署名活動を開始。2週間で11万筆以上集まり、名古屋地検に提出しました。
その後の関係者への取材で、名古屋地検が日七未ちゃんへの過失運転傷害罪の立件が可能かどうか追加の捜査を始めることが新たに分かりました。
研谷友太さん「被害者側が、ここまで動かないと対応してくれないのかっていう思いも当然あります。声を上げなかったら、このまま終わってたと思う」
小川彩佳キャスター:沙也香さんは、お腹の中にいる日七未ちゃんについて胎動のことや食事のことなど、母子手帳につぶさに記録していたそうです。妊娠9か月となりますと、エコー写真には表情もはっきり映りますし、命の愛おしさを一層感じられるときですよね。
藤森祥平キャスター:友太さんの訴えについて、名古屋地検は今後、日七未ちゃんが脳にダメージを負った経緯など追加の捜査を行って、立件できるかを慎重に判断するものとみられています。

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