名古屋市などの現役小学校教師らが勤務先の女子児童を盗撮し、SNS上のグループチャットで画像を共有していたという、前代未聞の“変態教師グループ”による性加害事件。今年6月にグループの存在が発覚し、グループ管理者で名古屋市の元小学校教師・森山勇二、横浜市の元小学校教師・小瀬村史也、名古屋市の元小学校教師・水藤翔太の3人がすでに逮捕・起訴されている。
【画像】「スポーティな風貌で…」卒業アルバムで笑顔を見せていた石川容疑者
悪質性を重くみた愛知県警は事件の捜査本部を設置。盗撮事件としては異例の74人体制で大規模捜査を続け、9月2日、ついに“4人目”となる男が逮捕された。
性的姿態撮影処罰法違反容疑で逮捕されたのは、のどかな海沿いの街、神奈川県葉山町にある公立中学校の教員、石川勝也容疑者(28)だ。
「石川容疑者は、問題のグループチャットに参加し、女児2人のスカート内を撮影した動画2点と画像1点をメンバーに共有した疑いがある。撮影したのは昨年9~12月。中学教員になったのはこの春からで、逮捕容疑となる行為をしたときは小学校の教員でした。盗撮映像も勤め先の小学校で撮影していた。共有グループのメンバーは“10人程度”と報道されていますが、正確には8名だったことが分かっている。これで、残るは4人です」(地元記者)
これまでに逮捕された教員のなかでは最年少の石川容疑者。若くして卑劣な盗撮行為に手を染めた教師の“表の顔”は、一体どのようなものだったのか。
「爽やかな体育教師」だったという石川容疑者 文藝春秋
地元住民が語る。
「石川君は二人兄弟で、自身も犯行現場となった葉山の学区で育った。高校はスポーツに強い横須賀の私立学校に通い、サッカー部で熱心に練習していました。スポーティな風貌で、よく自転車で近所を走っていましたよ。今年の春までは小学校で教えていましたが、特別支援学級で支援が必要な子どもを手助けする臨時の先生だったんです」
石川容疑者は、当時の特別支援学級の児童の特性にあわせて増員された職員で、小学校で担当していた児童の卒業・進学にあわせ、この春から同町の公立中学校での特別支援学級教師に異動したという。
クラスの担任などは持たず、女子児童との関わりはそれほどなかったようだ。
「小学校ではサッカー部の指導もしていましたが、当時は男子ばかり。サッカーは本当に上手で、子供たちの間でも評判でした。児童と距離が近いと思ったことはありません。息子に聞いても『違和感も気になる所も一切なかった』と言うんです。熱心すぎず、かといって暗いわけでもなく、無難にこなして本当に目立たない。むしろこういう犯罪から一番遠そうな先生に思えていました」(卒業生の保護者)
今年4月から、中学校に移った石川容疑者は、同じく特別支援学級を担当。教える科目は「保健体育」で、野球部の指導も担当していたという。同校の生徒の保護者はこう憤る。
「この春、新任の先生を紹介する冊子が保護者に配られたのですが、好きな漫画のセリフを先生が書く欄があったんです。来たばかりの石川先生はそこに“七つの大罪”という漫画の『自分より弱い者に憎しみを抱くはずがないでしょう。抱くのは憐れみ』というセリフを挙げていた。読み返すと、自分より弱い立場の女児に、先生が抱いていたのは身勝手な性欲や加害欲じゃないかと、思わず言いたくなりますよね」
さらに。
「最近結婚し、子供が生まれたばかりだとも聞いていました。人生の絶頂期の裏で、子供たちの信頼を踏みにじっていたなんて……」
葉山町の教育委員会によると、教員不足などに対応するため、免許を持つ者を任期付きで雇用する「臨時的任用職員」だったという。経歴や過去のトラブル等について尋ねると、
「経歴については、報道されている以上のことはお答えできません。担当教科や採用の経緯についても、個人のことですのでお答えしません。現在のところ、事件以前にトラブルや保護者からのクレームなどの把握はありません」
との回答だった。
保護者らからは、学校内の点検や児童生徒への被害の確認など、対応と対策を求める声が噴出している。
週刊文春では「変態教師撲滅キャンペーン」の取材を進めています。教員による性犯罪などに関する情報を文春リークスhttps://bunshun.jp/list/leaksまでお寄せ下さい。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル)