毎年秋に松本市で行われている松本マラソン。23日、“衝撃の事実”が明らかとなりました。おととしの大会で不正な会計処理があったことが分かり、今年の大会は中止する方針が示されました。23日、松本市内で開かれた松本マラソンの実行委員会。会議の冒頭、大会長で実行委員長の臥雲義尚松本市長がおととしの大会で不正な会計処理があったことを明らかにしました。実際には3915万円の赤字があったのにもかかわらず、担当職員が受託者に運営委託費を減額するように依頼したほか、翌年の大会収入から補てんする計画などをして最終的には74万円余りの黒字決算として計上していました。
臥雲義尚松本市長「(担当職員は)2023大会を赤字決算とすると大会のイメージの低下などを招き、大会そのものの、継続の可否に大きな影響を及ぼすのではないかと懸念した」この不正な会計処理を受けて今年の大会は、これまでの大会運営の検証を行うためにも中止とする方針を示しました。大和記者「松本マラソンは、アップダウンが激しい、険しいコースが特徴でしたが、ただ、その運営面でも険しい道のりでした」松本マラソンは松本市の市制施行110周年に合わせて2017年に始まりました。初回は、8600人を超えるランナーが秋晴れの城下町を駆け抜けました。しかし、翌2018年は台風24号の進行状況などからランナーの安全を確保できないとして中止に。2019年の大会は行われましたが…。2020年は新型コロナの影響で。2021年は豪雨災害によりコースの一部が被害を受けたため中止。去年までの8年間で、開催できたのは5回。3回が中止でした。松本マラソンの特徴は最大高低差がおよそ100メートルにもなるアップダウンの激しいコース。おととしは青山学院大学出身の神野大地さん。去年は、東洋大学出身の柏原竜二さんと、箱根駅伝の山上り区間で活躍した「山の神」をゲストに招き、ランナーを激励しました。ただ、その特徴とは裏腹に難易度が高すぎて「タイムが出にくい」という意見もあり、運営側は上り坂を減らすなど難易度を下げて、より多くの人が松本の街並みや山の景観を楽しめるように工夫していました。さらに…。「めちゃくちゃうまい」「うまいっすね」Q.ここまでの15キロどうか?「坂道最高です」ランナーたちを支える、エネルギーを補給する「エイド食」。リンゴや信州そば、山賊焼におやきなどご当地の食べ物を用意するなど工夫を凝らしました。それでも…。伸び悩んでいたのがエントリー数。松本市公式チャンネル「松本のシンカ」「本当にヤバい状況」担当課長もあの手この手でエントリー数のアップに力を注ぎました。しかし…。前回大会は、フルマラソンの定員を前の年の9000人から6000人に減らして募集しましたが、最終的なエントリー数は5171人。エントリー数の伸び悩みや輸送費や人件費の物価高騰などから赤字額も4380万円に膨れ上がっていました。臥雲義尚松本市長「今回の事態で皆さまにご心配と、ご迷惑をお掛けすることになってしまいました。誠に申し訳ございません」今年の大会の中止については、市議会の協議を経た上で、最終決定するということです。