東京に落ちた雷“平年の3倍以上” 突然の雷どうやって身を守る? 専門家に聞く

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ゲリラ雷雨にはまだまだ警戒が必要です。突然の落雷から、どのように身を守ればいいのでしょうか。
最近、関東でもゲリラ雷雨が多いですが、これはデータにも表れています。
雷専門の気象会社フランクリンジャパンによると、今年7月と8月に東京都内で観測された雷の回数は1万8900回に上り、例年の3倍以上となっています。
いつどこで雷雨に遭遇するか分からない気象状況です。この調査を行ったフランクリンジャパンに、屋外で雷から身を守る方法について教えてもらいました。 今年に入り、中国の広場で男性が雷に直撃し、けがを負いましたが、命に別状はありませんでした。国内でも、宮崎県の高校でのサッカーの練習試合中にグラウンドに雷が落ちて、生徒18人が病院に搬送されました。
このように落雷による被害が実際に起きています。こうした事態を防ぐためには、雷の性質を知ることが必要です。
電力中央研究所が小さいマネキンと大きいマネキンを並べて、雷を発生させる実験を行ったところ、雷は大きいマネキンに落ちました。つまり、雷は高い所に落ちやすいのです。
高い所に落ちやすいのは基本的なことですが、対策をするうえで、知っておくべき最も大切なことですので、忘れないようにしてください。傘をさすと高さが増し、雷が落ちやすくなり、リスクになるということです。
ちなみに「金属を身につけていると、雷が落ちやすくなる」と聞いたことはありますか。
電力中央研究所が、金属を身につけたマネキンとつけていないマネキンを用意して、雷が落ちる回数を比較しましたが、どちらも同じ2回でした。金属をつけていなくても、リスクは変わらないということです。
フランクリンジャパンによると、雷は高いところに落ちやすいため、駅前や住宅街など建物が多い所では人への落雷リスクが低いとされています。一方、公園や校庭など周囲が開けた場所では、人への落雷リスクが高くなります。
都内で子どもと遊んでいたり、犬の散歩をしていたりする時に、公園でゲリラ雷雨に遭遇することがあります。その時に、落雷リスクを高めるNG行動があります。それは、木の下や公園にある東屋の下で雨宿りをすることです。
雨宿りのリスクはどのくらいなのでしょうか。木の近くにマネキンを置いて、雷を発生させると、雷は木に直撃した後、マネキンに流れていきます。
これは、木よりも人間の方が雷を通しやすいために起こる「側撃」という現象です。雨宿りをしていて、近くの木や木造の小屋の屋根に雷が落ちると、この側撃に襲われる恐れもあるということです。
ですから、周囲が開けた場所で雷雨に遭遇した時には、木や小屋の下で雨宿りするのではなく、鉄筋コンクリート製のビルなどが近くにあれば、そこへ避難してください。安全な空間がない場合は、「雷の保護範囲」に入ることが必要です。
具体的には、近くの木や小屋などの高いものを45度以上の角度で見上げられる範囲。さらに、高いものから4メートル以上離れた場所、つまり三角形の範囲が雷のリスクを減らせる範囲ということです。
頭をなるべく下げて、耳を守り、しゃがむようにすることが大切です。まだまだゲリラ雷雨がありますので、警戒を続けてください。
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年9月4日放送)

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