20代後半の頃、「お父さん認知症なんだって」と母から聞かされた、漫画家・鐘木ころもさん。すぐ怒鳴るところが苦手で嫌いになってしまった父との関係は良好ではなく、認知症と告げられたときも「特に何の感情も抱かなかった」そうです。しかし、そんな父と過ごす苦悩と葛藤の日々のなかで、少しずつ親子の関係が変わっていき…。今回は、ころもさんが実体験をもとに描いたエッセイ漫画『大嫌いだった父が認知症になった日』から、一部を抜粋してお届けします。
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私の夢を笑う先輩が許せなかった。
私の夢に反対した父が許せなかった。
夢を諦めた自分が許せなかった。
そして…
私はついに漫画の連載を貰えた。
お母さん!みてー!
コミックスになったよ!
父は肌身離さず、そのコミックスを持つようになっていた。
「えらいね」「すごいね」
予想していなかった父の言葉を聞いて…
優しかった父の姿が思い出されたのでした。
次回へ続く
※本稿は、『大嫌いだった父が認知症になった日』(竹書房)の一部を再編集したものです。