東京電力福島第1原発事故を巡る株主代表訴訟の判決後、東京高裁前で不当判決を訴える原告団=6日午前
東京電力福島第1原発事故を巡り、旧経営陣の責任を認めず株主側の請求を退けた6日の東京高裁判決。巨額賠償を命じた地裁判決から一転した判断が伝えられると、原告や支援者からは大きなどよめきと憤りの声が飛び交った。
「福島原発事故の責任を取れ」と大きく書かれた横断幕を持って、支援者とともに高裁に向かった株主側弁護団。午前11時、法廷で木納敏和裁判長が主文を読み上げると、ほぼ満席になった傍聴席からは、「え、うそだろ」と声が上がり、動揺が広がった。
判決では、旧経営陣の責任が否定された。約30分に及ぶ言い渡しが終わると「理由になっていないぞ」「誰が責任を取るんだ」と怒号が響いた。
閉廷後、気温30度に迫る暑さの中、高裁前で原告と弁護団が硬い表情のまま報道陣に向け「不当判決」の垂れ幕を掲げると、水を打ったように静まりかえった。
マイクを持った株主側の河合弘之弁護士は「根本的に欠陥のある判決だ」と声を張り上げて批判。「最高裁まで闘う」と上告の意思を示した。
東京電力福島第1原発事故を巡る株主代表訴訟の判決を前に、横断幕を手に東京高裁前で集会を開く原告団=6日午前