東名高速など8都県で6日、ETCシステム障害が約38時間続き大渋滞が発生した問題。NEXCO中日本がバーを開放し、後払いを呼び掛けたところ、約2万4000人が支払いを申し出ているという。法律上、支払い義務があると説明する一方、弁護士は支払わない人に対しての罰則の可能性は低いと指摘する。
東名高速道路や中央自動車道などで一日半以上に渡り、ETCが利用できなくなった問題。道路を管轄するNEXCO中日本の対応に波紋が広がっている。
10日のテーマは「大渋滞なのに後払いで通行料金を請求。ソレってどうなの?」だ。
4月6日午前0時半頃から、東名高速の料金所など8都県の17路線、合わせて106カ所でETCのシステム障害が発生。復旧までに掛かった時間は約38時間。各地で大渋滞が発生した。
NEXCO中日本は、9日会見を開いた。
NEXCO中日本・縄田正社長:長時間に渡り、高速道路利用のお客さま、そして関係者の皆さまに多大なるご迷惑をお掛けします。改めて、深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございません。
システム障害が発生した当時、料金所などのETCレーンのバーを開放する異例の対応が取られた。しかし、通行料金を免除したわけではなかった。NEXCO中日本は当時利用した人に対して、ホームページなどで後払いの手続きをするよう呼び掛けた。
この対応に、SNSや街では様々な声が上がっている。
60代:払うべきでしょうけど、自分だったら払いたくない気持ちがある。迷惑被って渋滞に巻き込まれ、高速のメリットを受けられていないなら、むしろ「いい加減にしろ」という感じ。払いたくないですよね。(でも)払うだろうね、文句を言いながらも。
30代:僕は払った方がいいと思う。お金掛かっている部分はちゃんと使っているので、その分は払った方がいいと思います。「使った分はちゃんと払おう」と思うタイプです。
50代:向こうのミスで迷惑かけたのだから、お金取らないのが普通じゃない?もう少し利用者のことを考えて欲しい。何時間も遅れて、高速道路側が悪くなくて渋滞するならしょうがないが、自分たちがミスしたわけだから無料で通すべきだったんじゃないか。そういう前例作りたくないんだろうね。タダにしたという。あんまり利用者のこと考えてないんだよ。
こういった声について、NEXCO中日本の担当者はこうコメントしている。
NEXCO中日本:ご迷惑をお掛けしたことは申し訳ありません。高速道路の通行料金を支払うことは法律で決まっているため、後払いの呼び掛けをさせていただいています。また、通行料金は高速道路をご利用いただいたことに対する対価としていただいているものであり、所要時間を担保するものではございません。
青井キャスター:後払いは自己申告ですが、NEXCO中日本によると、これまでに2万4000人が支払いを申し出ているということです。
SPキャスター金子恵美さん:払いたくないっていう気持ちは理解できなくはないなと思いますけれども、そもそもこれはNEXCO側の問題なのであって、ここでまた払うっていう余計な手間があるわけですから、その負担分も含めて考慮して、せめて減額するくらいしないと、それを少し納得してもらえるんじゃないですかね。
青井キャスター:呼び掛けに応じなかった場合、罪に問われるんでしょうか。交通事案に詳しい高山弁護士に聞きました。
交通事案に詳しい高山俊吉弁護士:予期しない障害なので、ドライバーに責任はない。騙して支払わないわけではないので詐欺罪が成立することは基本的に考えにくい。
青井キャスター:しかし、後払いにしたことで、新たな問題が浮上したと言います。
交通事案に詳しい高山俊吉弁護士:わずかの人が払って大半の人が払わないで済むと「払った人が不公平だ、損している」という議論が出てくる余地はある。難しいところだが、それなら全てについて受け取らない態度を取るのが正解だったのでは?という気がする。
NEXCO中日本によると、支払期限は設けていないということだ。ゴールデンウィークも近付いてきている。まずはトラブルが起きないよう、お願いしたい。(「イット!」4月10日放送より)