熊本県警は2月21日、警察官の懲戒処分を発表しましたが、その際、記者会見を開くことを拒否しました。こうした姿勢をどう感じるか、熊本県民100人の声を聞きました。
【写真を見る】適切?不適切?警部補2人の不祥事で県警が「記者会見を拒否」 熊本県民100人はどう思う?
県警は2月21日、男性警部補2人がそれぞれ面識のある女性に対し、わいせつ行為をした疑いで書類送検したうえで、免職と停職6か月の懲戒処分としたと発表しました。
【県警の発表】30代男性警部補 不同意性交などの疑い 懲戒免職40代男性警部補 強制わいせつの疑い 停職6か月
この発表について記者クラブは会見を求めましたが、県警は拒否し、カメラを入れない形で記者に事案の概要を「説明」しました。
この対応について県警は「この方法が県民に事案の内容や誠意が最も適切に伝わる」と説明し、「マスコミが記者会見を開くべきと思うのであって、県民がそう思っているかはわからない」とも述べました。
記者「不祥事で記者会見を開かない県警。この対応について県民は適切と感じたのか、調査します」
RKKはきょう(2月24日)熊本市中心部で県民100人を対象にアンケートを実施しました。
▼「適切ではない」と回答した人の声「自己弁護、自己都合そのもの」「信用できない、誠意が伝わりにくい」「警察は身内に対して甘いのではないか」「説明責任を果たすためには県警からの言葉が大事じゃないかな」
▼「適切だ」と回答した人の声「私は(県警の対応は)適切かなと思います」
▼「その他」と回答した人の声「どういう処分をしたか、事案の経緯がわかればいい」
一方、熊本県などが行政職員を処分した場合は記者会見が開かれていて、同じ県の税金で雇われている職員にも関わらず、処分の発表には差があるのが実状です。
(スタジオ解説)
きょうの街頭インタビューでは100人中、「適切とは思わない」が90人を占めていて、「適切だ」は1人だけ、「会見の基準がわからない」など「その他」は9人で、県民の納得が得られていないことが伝わります。
警察の不祥事問題に詳しいフリーライターの小笠原淳(おがさわら じゅん)さん(56)によりますと、きちんと発表しないことで、・処分が適切だったかどうかを検証できない・大きなニュースがある日に意図的にぶつけて発表すると矮小化できてしまう――などの問題点を指摘し、「少なくとも県民の代わりに質問する報道機関が納得するような記者会見を開かなければいけない」と話しています。