しっかり者の妻と結婚。両親も妻のことを気に入り、私たちの夫婦仲も円満。ところが二世帯住宅で暮らすようになってから、嫁姑問題が突発! 新居に漂う不穏な空気は、はたして解決できるのでしょうか。これまで3万8千件の相談に答えてきた離婚カウンセラー・夫婦問題研究家の岡野あつこさんが、答えます。
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【相談】
実家が経営している小さな会社の二代目の私は40歳。2歳年上の妻とは結婚生活14年目で、小学生の息子がひとりいます。
母親が父親の仕事を手伝う環境で育ったせいか、自分も結婚するなら自営業を手伝ってくれる、働きものでポジティブな女性がいいと思っていました。
妻はまさにそんな私の理想をかなえてくれた女性です。結婚してからも、私の仕事の経理部門を手伝ってくれるかたわら、育児や家事もきちんとこなす、しっかりものの妻に両親も大満足。私たち自身も仲のいい夫婦関係だったと自負しています。
そんな私たちがギクシャクしはじめたのは、1年前。二世帯住宅を建てて、私の両親と一緒に住むことになったことがきっかけでした。
よかれと思って共有スペースが多めな間取りにしたのですが、そのせいで母親と妻がぶつかることが増えてしまったんです。私から見ると、「おおげさじゃない?」と思えるようなことですが、妻にしてみれば毎日がつらいものになっているようです。
夫の私としては、母親と妻の間に入って仲裁したいと思うのですが、どちらかの肩を持つようなことになるので上手なフォローができません。母親と妻、両方からの話を聞くのが今のところ精一杯です。
最近は、そんな私に妻が不満を言ってくるようになりました。友人のところでも、嫁姑問題がきっかけで離婚をした夫婦もいるので、「このままではウチもやがて危機を迎えることになるのでは」と不安です。
家業の商売こともあるので、両親とはできるだけうまくやっていかなくてはなりません。かといって、妻を苦しめていることも本意ではないのです。何をどうしたらいいのか悩んでいます。
【岡野さんの回答】
嫁姑問題で、夫がもっともやってはいけないのは「母親の肩を持つこと」です。こちらの相談のケースでは、母親と妻、どちらも大切にしたいと考えている点が立派ですし、うまくいくポイントになるはずです。
とはいえ、このまま何もしないでいれば、そのうち夫婦関係にヒビが入ることは間違いありません。
嫁姑問題で悩んだ場合、夫がまずすべきは優先順位を明確にすることです。具体的には、「妻をいちばん大事に考える。その次に母親を大切にする」と覚悟することです。そのうえで、「ではどうしたらいいのか」と考えるようにします。
今回のケースでしたら、「二世帯住宅の共有スペースを小さくするためのリフォームをする」「共有スペースを使う時間帯を分ける」などと、なんらかの対策を立てましょう。ここで、「建てたばかりなのにリフォームなんて、お金もかかるし無理だろう」「両親に悪くて、そんなことを言い出せない」というように及び腰になるなら、妻は「この人は私のことを大切にしてくれないのね」とネガティブにとらえるのです。
思い切って、妻に引越しを提案するのも手です。期間を決めて、賃貸契約で別居してみるのも、妻が「そこまで私のことを大切に想ってくれたのね」と納得できるので、夫婦円満につながります。
もしも引越しの提案をしたときに、妻が「今より狭いところで暮らすことになるなら、ここでいい」と言うかもしれません。そうなれば、「じゃあ、オレも協力するから、このままもう少しがんばってもらえるか?」とお願いすることもできます。
一方で、母親には「今は妻の気持ちを優先することにしたけれど、いちばん大切なのは母さんだから」と気分よく納得してもらえるような優しい言葉でフォローしておくと完璧です。
◆岡野あつこ(おかの・あつこ) 離婚カウンセラー・夫婦問題研究家/課題解決型マッチングメディア「リコ活」アドバイザー
「離婚しないに越したことはない! 」をモットーに、3万8000件以上の結婚、離婚、再婚相談を受け、数多くの夫婦問題を解決に導く。カウンセラー育成にも力を注ぎ、「マリッジカウンセラー、夫婦問題カウンセラー養成講座」を開講している。
(まいどなニュース/リコ活)