大人の社交場・銀座のクラブにホステスとして勤めているみずえちゃんと申します。「年内はもう最後かな?よいお年を」「あら、そんなことおっしゃらないで!明日もお待ちしていますね」なんていうやり取りが、あちらこちらから聞こえてくる時期になりました(※執筆時)。来年もこうして一緒にお酒を飲めたらいいな、と思うこの頃です。 その傍ら、ライターとしても活動しており、これまでに私がお酌をさせていただいたおじさま方との実体験をもとに、夜の街で働く人々に関する情報を発信をしています。 ◆実家に帰りたくないキャバ嬢 ~家庭が円満だからこその悩みもある~ 11年前の2012年の春に大学を卒業して、某広告代理店に入社したのですが、どうしてもキャバ嬢になりたくて、23歳の頃に北新地の某キャバクラの面接を受けて、その日からキャバ嬢に転身。それから週5でお酒を飲んで騒ぐ、そして記憶をなくす毎日を過ごしていました。それはそれは華やかで同時に落ちぶれてもいて楽しい日々でした。 ところが両親含め家族はとても保守的な人たちです。駐車場と庭付きの一戸建てに暮らす、よくいる地方の小金持ちです。彼らがもし、ヌーブラをはっつけたオッパイを晒して日銭を稼いでいる私を見たら何と言うだろう。
そういうわけなので、家族との絆を失いたくない、彼らを傷つけたくない、心配をかけたくない一心でキャバクラ勤めをずっと隠していました。わざとボロボロのスウェットにぼさぼさ頭と眼鏡、みたいな格好で帰省していました。でもバレちゃうんですよねー。 今回はキャバ嬢などの水商売関係者だけでなく、もしかしたら全てのアラサー、アラフォーシングルにも共通するかもしれない「実家に帰りたくない理由」についてお話したいと思います。 ◆親バレの危機勃発 家族の中で唯一、妹にはキャバクラで働いていることを打ち明けていました。当時は自慢したい、褒められたい気持ちもあってヘアメイク中の写真を送ったり、お客様に買っていただいたものなどを妹を相手に見せびらかしていたと思います。 我が家には家族のグループLINEがあって、グループ内でよくやり取りをするのですが、ある日ささいなことで妹と喧嘩をしてしまい、言い合いになった挙句、その報復として私のキャバクラ勤めを家族のグループLINEでバラされてしまいました。とても悲しくてショックで、同時に脇の甘い自分を呪いました。 両親は田舎の人ですから、キャバ嬢=おじさんに太ももをスリスリされながら嫌々お酌をする仕事、というイメージがあったと思います。そんなわけで、実家が急に居心地の悪い場所になってしまいました。 いくら市民権を得るようになったとはいえ、水商売に従事するものは胸を張って表舞台を歩くべきでない、という認識が一般的です。私もその認識です。私たちは日陰者であるべきです。家族も同じ認識であることが嬉しくもありました。

◆実家に帰りたくない理由同級生と話が合わない 20代から34歳になる現在まで結婚もせず(1度はしましたがうまくいきませんでした)、子どもも持たず、仕事をしていると、ライフステージにほとんど変化が無く、関心事といえばセリーヌの新作、心配事といえば税金の支払いやガン保険には入るべきか、NISAはやるべきか否かくらいです。 結婚して、子どもを産んで、ローンで家を買って、車を買って、2人目の計画を立てたり、幼稚園探しをしている同級生たちとは全く話が合いません。よって、次第に疎遠になります。帰省しても、話し相手は姪と飼い猫くらいです。 そもそも、2軍、3軍どころか便所飯(トイレの個室で食事をする行為や友人のいないものを指す言葉)だった私には友だちと呼べる同級生が数名しかいません。かつてのクラスメイトは私のことなんて覚えていないだろうし、私も覚えていません。なので、同窓会の出欠確認には「欠席」にマルをして提出しました。
◆実家に帰りたくない理由5戮潺椒韻怖い 新年のキャバクラといえば、イベントです。お着物など衣装を指定される他、もちろんノルマが課されます。こなせなければ罰金、最悪クビです。とはいえ優秀な女の子たちなのでなんとかこなすわけなのですが、休み明け早々胃が痛いことに変わりはない。 水商売の世界は遅刻、欠席に関しても厳しいペナルティが課されます。キャバクラではあまりありませんが、クラブでは大事な接待を任されることもありますから、時間厳守です。ボケボケしていられません。 実家のコタツでボケーッとしていると、そんなことを忘れてしまいそうになりますが。 ◆結論:長期滞在は避け、家族はお年玉で黙らせよう 実家はなんとなく居心地が悪いし、同級生とは金銭感覚も価値観もズレまくってしまっているため話が合わない。おまけに休みボケも怖い。ならば、滞在期間は1泊2日までとし、「いつまでそんな仕事してんのよ……」と、憂い顔の家族のことはお年玉で黙らせましょう。 こちとら仕事が恋人のシングル貴族です。金にものを言わせましょう!というのは半分冗談ですが、「心配しなくて大丈夫だよ」と言って聞かせるより効果がある気がします。
◆銀座ホステスの憂鬱
自身の従事する職業や、ライフスタイルに家族が納得していないことなんてよくあると思います。皆さんご自身が納得していることがまずは1番大切です。お年玉を配って歩いて、間接的に子孫繁栄に貢献することだって、私たちの立派な役目です。 とはいえ、順番通りであれば年配者から先にお別れの時がやってくるわけです。ほとんど家出をしているような状態で暮らしていた20代の頃より、34歳になった今の方が当然に祖母たちや両親とのお別れが現実のこととして迫ってきている感覚があります。 心配ばかりかけてしまって本当に心苦しいです。来年こそは未婚のオダギリジョー似イケメン開業医と出会って、とんとん拍子に結婚できますように! <文/みずえちゃん>