茨城県つくば市の市営斎場で、遺族が故人への思いを込めて棺に入れた副葬品を、火葬前に無断で取り出す行為があったことがわかりました。
総合葬祭 ひまわりくらぶ・井上圭一代表:(副葬品を)本当はこういった袋には入れておきたくないんです。だからといってやり直しが利かないですよ。もうご遺体の方は骨になってお墓に入っているわけですから
10月4日、めざまし8のカメラの前で怒りをあらわにしたのは、茨城県の葬祭業者。その手元にあるのは、先月火葬された女性の棺に納められた「副葬品」の着物でした。
総合葬祭 ひまわりくらぶ・井上圭一代表:家族の手で棺のふたを閉じた後に、炉の裏で作業員がふたを開けて燃えにくいという物を全部撤去していたということなんですよ。
9月30日、茨城県つくば市は、2020年ごろから市営斎場の職員が葬儀業者から受け取った棺を火葬前に遺族に無断で開けて「副葬品」を取り出していたことを公表しました。
この着物も、市営斎場側から「燃やせない」と突然、葬祭業者に返還されたというのです。
総合葬祭 ひまわりくらぶ・井上圭一代表:火葬している最中にメモリアルの事務所の方に呼ばれまして、着物を返されたと。ゴミ袋というか、コンビニじゃないけどゴミ袋に入れて。しかも床に置かれて。で、「これは燃えないから持って帰ってくれ」と言われ…。(遺族は)天国にいったものだと思っているものが返されているわけですから、それを返しに行く方法も分からないですし
一体なぜ、遺族に無断で副葬品を取り出したのでしょうか。4日、市営斎場の担当者に話を聞くと…
つくばメモリアルホール担当者:副葬品について爆発の危険性があるものとか、ものによっては燃焼温度が高温になりすぎてしまってご遺骨が損傷してしまったり、土台に付着してしまう例があったもんですから。火葬従業員の方からそういったことで、事前に除去してですね、円滑に火葬を行いたいということで申し出がありまして、私の方でそれを許可したということです。
こうした不適切な副葬品の取り扱いが始まった2020年頃からこれまでに約4500件の火葬を実施。しかし、実際に副葬品を取り出したケースが何件あったかは把握できていないといいます。
9月30日、つくば市の五十嵐立青市長はコメントを発表しました。
つくば市 五十嵐立青市長:この度は、御遺族の心に寄り添う配慮が足りず、ご迷惑お掛けし深くお詫び申し上げます。今後は、ご遺族の心に寄り添った対応を心がけるよう徹底してまいります。
(めざまし8「#Newstag」10月5日放送より)