NHK朝の連続テレビ小説「マッサン」でヌードポスターモデルを演じたグラドルの柳ゆり菜(21)が、握手会でファンの男に腕を引っ張られる暴行被害に遭っていたことが10日、分かった。

 暴行容疑で警視庁新宿署に現行犯逮捕されたのは大阪府在住の自称介護士・谷口卓哉容疑者(21)。5日午後4時半ごろ、東京・新宿歌舞伎町の「福家書店新宿サブナード店」で握手会中の柳についたての裏から近付き、右腕をつかんで引っ張った疑いが持たれている。

 柳は悲鳴を上げ、逃走を図った容疑者はその後スタッフに取り押さえられた。柳にケガはなかったが、最近練習しているアクションの成果を出すことができず、かなり悔しがっているという。

 警察の調べに容疑を認めている谷口容疑者だが、動機は理解不能。谷口容疑者のズボンのポケットからは折り畳み式の刃物が見つかっており、同署は銃刀法違反容疑で調べている。

 捜査関係者によると、ツイッター上で7月初旬「柳さんを誘拐して性的暴行を加える」という書き込みが複数回あり、それを見た谷口容疑者は「柳さんを助けてあげようと思った」と供述しているという。同容疑者と書き込みをした人物の接点は現段階で確認できていない。

「妄想型のストーカーに近い。大事に至らなくて本当に良かった」

 そう語るのはアイドルライターの1人。アイドルイベントは常に戦場と化しており、舞台裏では警備担当者とファンの間で毎回激しいバトルが繰り広げられている。

 ある関係者は「小規模なイベントでも迷惑な客はいる。危ないやつは殴る覚悟でチェックしている」と話す。声優業界などでは、チケットの抽選段階で迷惑な客を排除しているが「それでも偽名、変装で参加してくる」(同)。

 厄介なのは家まで尾行しようとするファンだ。出演者は客が全員退出したあとに会場を出ることが多く、警備担当者はトイレまでくまなくチェックし、残る客がいないか確認しているが…。

「ある声優のファンはトイレの掃除用具箱に身を潜めて警備の目を逃れ、その後控室に侵入してきた」(同)というから恐ろしい。万全を期しても「安全」とは言えないようだ。