なぜ夏に? 東京の“新型コロナ”7週連続で増加──背景に「エアコン」と「移動」 症状に変化も…増えているのは?

東京都内の新型コロナウイルスの感染者数が増えています。8月3日までの1週間は、前週よりも400人以上多く、7週連続で増加しています。なぜ夏に感染者が増えるのか、最前線で治療・研究に当たってきた医師に聞きました。症状の変化や対策も考えます。■去年も…夏にかけて12週連続で増加藤井貴彦キャスター「感染者1866人。これは8月3日までの1週間の、東京都の定点医療機関における新型コロナウイルスの感染者数です。7日に発表されました」

「東京都感染症情報センターによる、感染者数の推移を1か月ごとに表したグラフがあります。この1週間は前の週より424人増え、7週連続の増加となりました」「去年の分のデータを当てはめてみました。冬に増えているのは想像がつきますが、夏にかけて感染者が12週連続で増加しています。今年もこの先、増加傾向が続く可能性があります」■医師に聞く 夏に増える理由は?小栗泉・日本テレビ報道局特別解説委員「なぜ夏に増えているのか。感染症の専門家で、新型コロナ対策の最前線で治療や研究に当たった大阪大学医学部の忽那賢志教授に聞きました」「1つは、エアコンの使用で換気が悪くなるからです。今年も危険な暑さでエアコンを使う機会が増えていると思いますが、その際、冷気が逃げないようにどうしても部屋を閉め切ることが多くなりますよね」「そうすると十分な換気ができなくなって、感染のリスクが高くなってしまうということです」「もう1つの理由は、人の移動が増える時期だからです。夏休みの時期は旅行や帰省などで人の移動が多くなります。人の流れが増えると感染者数も増えるというのは、コロナが流行した当初から今も変わっていません」■流行当初は「味覚」「におい」…今は小栗委員「その一方で、少し変わってきたというのが症状です。流行当初は味覚がなくなる、臭いを感じなくなるといった症状が特徴としてありました。しかし、この数年はこうした症状は減り、鼻水やのどの痛みといった症状を訴える人が増えているということです」 藤井キャスター「ただ、その症状なら風邪とほぼ変わらないようにも感じます」小栗委員「実際、今でも無症状の感染者は3割ほどいて、コロナだと気づかずに感染を広げてしまうこともあるといいます」「コロナにかかっても今は法律に基づく外出の自粛は求められていませんが、発症から5日間は他人に感染させるリスクが高いということで、外出は控えることが推奨されています」「例えば今感染してしまうとお盆休みが終わるくらいまでになりますが、発症から10日間はウイルスが排出される可能性があるため、マスクを着用したり、高齢者などとの接触を控えたりするなど、配慮をしましょう」藤井キャスター 「お盆で多くの人が集まる機会が増えます。まず換気をして、体調が悪いと思ったらマスクをするなど、早め早めの対策をお願いいたします」(2025年8月7日『news zero』より)
東京都内の新型コロナウイルスの感染者数が増えています。8月3日までの1週間は、前週よりも400人以上多く、7週連続で増加しています。なぜ夏に感染者が増えるのか、最前線で治療・研究に当たってきた医師に聞きました。症状の変化や対策も考えます。
藤井貴彦キャスター「感染者1866人。これは8月3日までの1週間の、東京都の定点医療機関における新型コロナウイルスの感染者数です。7日に発表されました」
「東京都感染症情報センターによる、感染者数の推移を1か月ごとに表したグラフがあります。この1週間は前の週より424人増え、7週連続の増加となりました」
「去年の分のデータを当てはめてみました。冬に増えているのは想像がつきますが、夏にかけて感染者が12週連続で増加しています。今年もこの先、増加傾向が続く可能性があります」
小栗泉・日本テレビ報道局特別解説委員「なぜ夏に増えているのか。感染症の専門家で、新型コロナ対策の最前線で治療や研究に当たった大阪大学医学部の忽那賢志教授に聞きました」
「1つは、エアコンの使用で換気が悪くなるからです。今年も危険な暑さでエアコンを使う機会が増えていると思いますが、その際、冷気が逃げないようにどうしても部屋を閉め切ることが多くなりますよね」
「そうすると十分な換気ができなくなって、感染のリスクが高くなってしまうということです」
「もう1つの理由は、人の移動が増える時期だからです。夏休みの時期は旅行や帰省などで人の移動が多くなります。人の流れが増えると感染者数も増えるというのは、コロナが流行した当初から今も変わっていません」
小栗委員「その一方で、少し変わってきたというのが症状です。流行当初は味覚がなくなる、臭いを感じなくなるといった症状が特徴としてありました。しかし、この数年はこうした症状は減り、鼻水やのどの痛みといった症状を訴える人が増えているということです」
藤井キャスター「ただ、その症状なら風邪とほぼ変わらないようにも感じます」
小栗委員「実際、今でも無症状の感染者は3割ほどいて、コロナだと気づかずに感染を広げてしまうこともあるといいます」
「コロナにかかっても今は法律に基づく外出の自粛は求められていませんが、発症から5日間は他人に感染させるリスクが高いということで、外出は控えることが推奨されています」
「例えば今感染してしまうとお盆休みが終わるくらいまでになりますが、発症から10日間はウイルスが排出される可能性があるため、マスクを着用したり、高齢者などとの接触を控えたりするなど、配慮をしましょう」